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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

春探し

2023年04月13日
大船渡 坂本麻由子
こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。
 
大船渡近郊は既にサクラは散り始め、お花見気分はそろそろおしまいのようです。
サクラが終わると山菜の時期に突入し、地元の方はあっちの山やこっちの山の情報交換を欠かさず、慌ただしくも春の恵みを楽しんでいらっしゃるようです。
サクラとシジュウカラ
事務所横の満開を過ぎたサクラにやってきたシジュウカラ。どこか名残惜しそうに見えます。
春の花と言ったらサクラの他に何を想像するでしょうか。
スミレを思い浮かべるという方も多いのでは?
スミレ
道ばたでよく見るきれいな濃い紫色の花を付けるスミレ
スミレという呼び名のスミレがあるので紛らわしいですが、それも含むスミレ科の種類はたくさんあり、植物好きな方でもスミレの見分けについては手強いですよね。
図鑑を見て覚えたつもりでも、実際足下に見つけるとまったく同定できない自分と闘いつつ、次から次へと咲くスミレを追いかけるのが私の春です。

この春から植物学者・牧野富太郎をモデルにしたデレビドラマが始まりましたね。
先人たちが発見して名前を付けてくれたから今学べているのですが、発見やその喜びを少しでも多くの人と共有できたら嬉しいと思います。
 
まだ春序盤ですが、3~4月に確認できたスミレたちの中から数点ご紹介します。
タチツボスミレ
タチツボスミレ(変種も多く、日本で一番見られるスミレだそうです)
マルバスミレ
マルバスミレ(葉っぱのしっとりした質感が特徴的です)
マキノスミレ
マキノスミレ(牧野博士の名前で覚えやすい!垂直に伸びる葉が特徴です)
フチゲオオバキスミレ
☆フチゲオオバキスミレ(黄色のスミレは珍しいですよね)
アケボノスミレ
☆アケボノスミレ(美しい夜明けの空の色から名付けられたそうです)
エイザンスミレ
☆エイザンスミレ(ギザギザの葉っぱが特徴的でわかりやすいです)
この日記をご覧になっている方はもうご存じと思いますが、日本の国立・国定公園の特別地域では、自然公園法に基づき、高山植物その他の植物で環境大臣が指定するもの(以下「指定植物」)を採取、または損傷することが規制されています。
各公園の指定植物について知りたい方はコチラを覗いてみてください。
ご紹介した☆のついたものをはじめ6種のスミレが三陸復興国立公園の指定植物となっています。
これから咲いてくるスミレも可能な限り追いかけます。
 
三陸復興国立公園は南北に長く、地域ごとに植物の分布も変わるので同じ公園内でも違いを探して、見て、楽しむことができます。
三陸復興国立公園での指定植物は230種以上。
私はまだまだ勉強中で、全部は把握しきれていませんが、植物を確認しやすい開花期は次から次へとやってくるので外作業の業務の時は一覧表とカメラを携え、スマホにダウンロードした図鑑を相棒に出かけます。
 
季節が巡れば必ず咲ける、そんな環境をずっと守っていきたいですね。
国立公園にお出かけの際には、足下の植物たちにも注目してみてください。