アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
冬が来る前に
2022年09月28日
十和田
朝の気温が一桁を示す季節が、とうとうやってきました。朝に事務所の窓を開けるのがためらわれますが、新鮮でエネルギーにあふれた空気を満たして、一日を始めたいと思う伊藤です。
秋の気配がしたと思ったばかりなのに、通り過ぎる風の中に、ちょっぴり冬を感じる日もあります。十和田湖畔や奥入瀬、八甲田は、以前に比べるとだいぶ賑やかになったように感じます。
9月14日、混雑する紅葉の時期を前に、パークボランティアの皆さんとともに、酸ヶ湯インフォメーションの駐車場周辺の清掃と草刈りを行いました。
平日でも登山者が多く見受けられ、あいかわらず八甲田の人気の高さがうかがえます。イタドリやその他の雑草が繁茂していた駐車場がすっきりしました。
草刈り機械で刈り払いをする際に、飾り石に機械の刃を当てないように気をつけるのですが、ふと見ると桃色の小さな花が目につきました。刈らないように注意して、近づいてみると、今まで見たことのない可愛らしい花が咲いていました。
ツルボは、全国の日当たりの良い場所に分布し雑草扱いの花のようですが、調べてみると、食用や薬用になり、興味深い花でした。
さっそくみんなで植物観察会になりました。いつも遠くから駆けつけてくださるパークボランティアの皆さんに、山の神様が微笑んだような気がしました。皆さんにはいつも感謝です。
春から準備を進めていた「令和4年度十和田八幡平国立公園 写真展」のイオンモール大曲会場での展示が9月16日から始まりました。テナントの一部をお借りして、今年度の写真20点に加えて、昨年までの写真や、酸ヶ湯インフォメーションセンターの展示の一部、私達アクティブレンジャーの仕事内容のパネルなど盛りだくさんの内容になっています。展示に使用した酸ヶ湯インフォメーションの植物の写真ですが、私が撮りためた写真を提供して採用いただきました。お近くにお越し際には、どうぞお立ちよりください。
これから始まる紅葉シーズンですが、蔦沼は期間や時間により入場制限や協力金などがあります。あまりにも有名になってしまい渋滞や植生の破壊など様々な問題が発生したための対策です。詳細は「蔦沼周辺における事前予約制及び協力金に関するお知らせ(十和田市ホームページ)」をご覧ください。
蔦沼の紅葉は毎年様々な表情を見せてくれます。今年もとても楽しみです。
厳しい冬の前に、穏やかな一日の北八甲田です。