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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

苦手克服への第一歩

2022年09月27日
大船渡
こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本麻由子です。
 
皆さんには苦手な生きものいますか?
年を重ねるにつれて、命あるものすべてが愛おしく感じてしまっているのは私だけでしょうか。
幼少期にためらいもなく身近で触れられていたトンボやクワガタなどの虫も、大人になり触れあうことが少なくなると、いざ触ろうとしてもちょっと怖いと感じていました。
しかしこうして自然にどっぷりつかる仕事をしていると野生の感性が戻ってくるのか、そんな生き物たちもかわいく思え、夢中で観察したり写真を撮ったり手に乗せてみたり。
今はトカゲを相棒にしたいと妄想する毎日です。
 
げっ!と思うような変わった生き物もその生態は不思議でかわいいものです。
ザトウムシ
山中でよく見かけるザトウムシの一種(脚8本だけどクモじゃないよ)
アカハライモリ
苔をかき分け進むアカハライモリ(寿命は20年以上とびっくりするほど長寿)
そんな私ですが、未だにどうしても苦手な生き物がいます。
それは・・・カエルです。
国立公園に限らず日常的に出会うことの多い彼らのことが苦手でなくなれば、もっと巡視が楽しくなるのに。と考えまして、まずは敵(勝手にごめんなさい)を知ることから!
ということで、今まで避けてきた生き物図鑑の両生類のページを開くことにしました。
まず観察しやすい動きの鈍いイボイボのカエルから。
ヒキガエル後ろから
おそるおそるピントを合わせたヒキガエルの後ろ姿
ヒキガエル前から
飛んでくることはないと言い聞かせて前から撮影
よく耳にするガマガエル、イボガエルはヒキガエルのことだったのですね。それすらも知りませんでした。
ヒキガエルは耳腺から毒液を飛ばし、皮膚のイボイボから毒液をしみ出させるとのこと。
ほとんどの生き物にその毒は有効で、天敵がいないため急いで動き回る必要がない。
のそのそと歩いて移動するのはそのためだと知りました。なるほど。
じっと動かないので撮影するには絶好の被写体ですね。
数少ない天敵の一種が毒蛇として有名なヤマカガシで、ヤマカガシはヒキガエルの毒を自らの喉で毒として貯蔵でき、それを更に外敵に利用するですと!スーパーマンのようなヤマカガシ、すごい!
ヤマカガシの毒はマムシより強力で、注意しなければならないヘビですが、細身で愛嬌のある顔をしています。
 
調べていくと、それぞれの種が自分たちなりに生き抜くために進化し、それでも食物連鎖は起き、命は繋がっているということを教えられます。苦手だなんて言っていたら罰が当たりますね。
頑張って生きているヒキガエルのことを知れたので、次出会ったら見る目が変わる(はずです)と思います。
苦手を克服し、自然をまるごと楽しみたい!
そう思ってこれからも勉強に勤しみたいと思います。
 
私と同じく載せた写真の生き物が苦手だった方もいるかも知れませんが、最後まで読んでいただきありがとうございました。