アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
春の御箱崎千畳敷(おはこざきせんじょうじき)*釜石市
2022年04月19日こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。
気がついたら4月も半ばを過ぎ、野外での業務が活発になってきました。
例年より遅めの開花となったサクラも見頃を迎えており、山々ではみずみずしい若葉が顔を出し始めています。
今日は春本番を迎えている三陸復興国立公園の岩手県沿岸南部より釜石市箱崎半島の『御箱崎千畳敷/おはこざきせんじょうじき』について書きます。人里離れた場所にある大地の鼓動を感じられる秘境です。
箱崎半島は北側に大槌湾と両石湾にはさまれた半島で、起伏に富んだ地形と植生良好な海岸風景を呈しています。南側には三貫島を眺望でき、半島先端の南側には花こう岩の巨岩が敷きつめられた千畳敷と呼ばれる岩礁帯があり、三陸海岸を代表する景勝地となっています。
伝わるでしょうか、スケール感。
この写真の中に人が映り込んでいますが見つけられますか?人の大きさと比較するとまわりの岩礁の規模観が伝わると思うのですがいかがでしょう?
半島先端まで岩場を進み見える景色がこちらです。
この日は暑いくらいの陽気でしたが低気圧が去った直後で海には波が立っていました。水深の深い紺碧の海が泡立ち魅せる色にしばし見とれてしまいました。海の向こうに見えるのは山田町の船越半島で、直線距離で6㎞ほど離れている場所です。
(海面からの高さは十分あり波をかぶらない場所で風にあおられぬよう座って撮影しました。)
南側からは連なる岬、そして特別保護地区に指定されている三貫島を眺めることができます。
陸側はどうなっているかというと、このような白い絶壁が続いています。
御箱崎千畳敷へは最寄りの駐車場から片道約4㎞徒歩の探勝路を楽しみながら到達できます。ここ数年で林道の法面が崩れるなど駐車場への車両でのアクセスが課題でしたが、今春工事が完了しました。とはいえ土の道なので雨風で浸食される場所も出てきます、車高の高いお車だと安心ですね。
最後に、カメラに収めることのできた道先案内人(?)をご紹介します。
目的地までの道中にもたくさんの命を発見できます。自然を体感しに国立公園へ出かけてみませんか?
【左上】上空から見守るトビ。美しく飛んでいました。
【右上】いつもはジェージェー賑やかなカケス、ナイスポーズです。こんなに凜々しい顔しているんですね。
【左下】カサカサすばしっこいニホンカナヘビ。近くで見ればみるほどかわいいです。
【右下】歩いている足元にヒラリと舞い降りたルリタテハ。翅の裏表の模様ギャップが面白いです。