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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

いつまでいるの?ハクチョウさん

2022年03月10日
羽黒 風間彩野

こんにちは。

羽黒自然保護官事務所の風間彩野です。

皆さんご存じのハクチョウは、10月頃に庄内地方に飛来してきます。

ハクチョウの古里は4000kmも離れたシベリア。極寒のシベリアでの生活を避けるため、北海道や青森などを経由してここ上池下池にたどり着きます。

その長い長い旅を想うと、舞い降りてきたハクチョウの姿に生命の素晴らしさを感じるのです。

10月以降、朝はハクチョウの声で起き、田んぼにご飯を食べに行く彼らと共に通勤し、ご飯を食べ終わって上池下池に帰る彼らと共に帰宅する生活が始まります。飛んでいる彼らの姿はとても美しいです。白い翼で風を切りながら飛ぶ大きな姿に圧倒されます。その姿とは対照的に、白い顔に黒くてつぶらなかわいい瞳を持っているのでハートを射貫かれます。

そして一冬を日本で過ごした後、2月頃にまたシベリアへ帰って行くのですが・・・今年は3月になっても多くのハクチョウが日本にいるようです。そして残念ながら日本で命を落としてしまった個体が例年より多くなっています。原因は色々と考えられるようですが、今年の大雪や寒波などによるえさ不足も一因となっている可能性があるとのことです。

そんな状況の中、国指定鳥獣保護区である、大山上池下池の巡視に行ってきました。

まずは上池の様子から。

全面が凍結していました。驚きの光景です。

最近は少しずつ晴れている日が増えてきて、心が躍ります。後ろに見えるのは高館山。実は、有名な心霊スポットでもあります。

上池の奥の方にハクチョウの姿が見えました。昼間はご飯を食べに田んぼの方へ行っているハクチョウが多いようです。少し閑散としていました。

お次は下池の様子を。

下池は、凍結はなくいつも通りでした。

カモ類が沢山います。どこを歩いてもカモたちの鳴き声が聞こえてきます。最近都会に出ていないせいか、カモたちの鳴き声が街中の人の話し声に聞こえてくるのは私だけでしょうか。カモたちも同じことを話しているのかもしれません。「おなかすいたー」「ねむいー」「コロナ早く収まらないかなー」「まだまだ寒いねー」

奥の方にも数羽、まだ日本に残っているハクチョウたちがいました。

下池の周りにはぐるっと一周できる散策路があります。まだ雪が積もっていてとても転びやすいですが、皆さん元気にお散歩されていました。散策路からも鳥たちの姿が観察できますので是非歩いてみてくださいね。

「まだこいの~(またきてね~)」の看板があります。奥に見えるのは四阿です。上池も下池も休憩スペースやトイレが完備されています。どんな方でも気軽に訪れられるのは素晴らしいですね。

今回の巡視では特に異常は見られませんでした。

これからも鳥たちがのんびり過ごせるこの環境を残していきたいものです。

そして、ハクチョウが無事にシベリアに帰れることを願いましょう。

おまけ

雪の上にかわいい足跡がついていました。てくてくてく。癒やされます。