アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
秋色
2021年10月08日
十和田八幡平国立公園
風景にはいつも色や香りがともにあり、その季節に彩りを添えているのではないでしょうか。
私は、この風は何色かな、今の気持ちはどんな色かな、などなど、五感をフル活用しながら
大自然に身をまかせます。
十和田湖畔は今、香しいカツラの香りで満たされています。私は美味しいお菓子を連想してしまいます。
〈桂浜がカツラの葉で黄色に染まるのももうすぐです〉
業務で休屋の写真撮影をしていたら、どんぐりが頭に落ちてきました。
〈ミズナラの実はいつもより数が多いように思います〉
ふと見上げた針葉樹に赤い実がちらほら見えました。オンコの樹(イチイ)ですが、何やら様子が違います。
〈ひときわ目をひく赤です〉
赤い実は甘くて美味しいのですが、果肉以外は全て有毒で、特に種は微量でも死に至ることがあります。
種に傷がついていたものなら、口に含んだだけでも非常に危険です。ペットの誤食にもご注意ください。
〈ツルウメモドキの太いツルが絡みついています〉
〈全体の様子〉
〈反対側の様子:ツルウメモドキの他に、カエデなどが複雑に絡み合っています〉
厳しい環境で、このような樹形になってしまったのでしょうか。
また、木々は既に来年の準備を始めながら、来る厳しい冬に備えていて感心します。
〈キタコブシはすでに暖かそうなふわふわの服をまとっています〉
〈紅葉のトップバッターともいえるニシキギ〉
〈まだまだ湖畔のあちこちで花を咲かせているノコンギク〉
私達人間は、果たして動植物のように、正確な営みができているのでしょうか?
来る冬に向けて、様々な準備をしなければと思う今日この頃です。