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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

梅雨寒(つゆざむ)の日に

2021年07月12日
大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

この日の執務室内の気温22度、外は20度を下回っていました。常時窓を開けているので半袖でいるには少し肌寒い、シトシト降り続ける雨、まさに梅雨寒。今週中には梅雨明けかと言われていますので三陸の今年の梅雨は短かったです。

"アリスの不思議な国"に迷い込んだような色合い、露をまとうガクアジサイ

そんな日ではありましたが、碁石海岸の植物調査へ傘を差しながら繰り出しました。

「植物調査」といいましたが、碁石海岸では園地内の植物について、環境省パークボランティアと碁石海岸インフォメーションスタッフで1年間とおして1~2回/月のペースで観察&記録するという試みを今年度行っています。植物の名前調べはもちろん、開花時期や見られるエリアも記録するので碁石海岸来訪者へのご案内に役立ちますし、今後の環境変化など調査する際のベースが作れると思っています。三陸復興国立公園の指定植物一覧とのすり合わせも行い、園内にある指定植物の把握もこの機会にしたいと思います。

思わぬ珍客に出会えることも!こちらは「キツネノハナガサ」。

儚くて美しいきのこです。雨に打たれてもう萎れかけでしたが、

開いている時間が数時間という幻の存在だそうです。

ちょっとの刺激で倒れてしまうので息を止め、触らぬようそっと観察しました。


こうして撮りためた記録は、載せる種類を精査し、碁石海岸植物ハンドブックのような冊子にできたらいいねと皆で盛り上がっています。4月からこれまで行った調査6回、チェックした植物は150を超えました。盛夏~秋に最盛期を迎える植物もたくさん控えているので、一年間でどれだけの植物と出会えるか楽しみです。

下の画像はこれまでの記録の一部です。葉⇒つぼみ⇒開花⇒結実と一連が見られるので、葉っぱだけだと分からないものは、花が咲くであろう1ヶ月後に答えあわせのクイズのようです。

雨の日の観察もいいものです。雨だからこそ見えるものがあります。帰り道ではでんでんむしとばったり会うこともできました。車道に出てきていたので葉っぱに乗ってもらい、茂みの中へご案内しました。

雨の日の話題を書きましたが、昨今の土砂災害や大雨・浸水など被害に遭われた方々へ心よりお見舞い申し上げます。

降雨の程度や前線の発生場所などについては人類誰もコントロールできるわけもなく、うける地面側がどんな状態であるか知っておくことがせめて自分にできることでしょうか。

巡視をしていて「土石流危険箇所」の看板があり、そのまわりや麓が住宅地という場所があったりします。自分自身がどのような土地に住まいを構えているか、地域のハザードマップやまわりの環境を確認し、家族全員で把握し備えなくてはと強く思います。