アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
虫の目で観察してみました
2021年07月02日みなさんこんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。
梅雨入りした三陸も天気予報は先の先まで傘マークが付いています。そんな中たまの晴れ間があるとカメラ
片手に公園へ足が勝手に向いてしまいます。
この日は虫の目(マクロレンズ)を相棒に碁石園地を巡回しました。夏へ向けて色とりどりの花が咲く道中、出会った植物たちの一部分にズームアップして撮影してみました。
ここで突然ですがクイズです!何の植物かお考えください。
★第一問★
どこの道ばたでも見つけられるお馴染みの植物です。
鼻炎だった私は子どもの頃この葉っぱを鼻に詰められました。
これもお馴染み、無毒ですが見た目に反して食べても美味しくありません。
夏に蔓延る紫色のあの子、こんなに涼しげなお花つけてたの?
こんな可愛いトラだったらお世話してみたいですね。
ベル型の花からフリフリリンリンって覚えていた人がいました。
海岸域岩場でよく見られる植物。ビロードのような葉っぱが特徴です。
花の部分を真上から撮影。本公園の指定植物のひとつです。
こちらも本公園の貴重な指定植物。花びらの色が名前の由来です。
身近な植物でもこのような視点で見てみると新しい発見があります。自然とのふれあいイベントでネタとして使えそうです。みなさんも虫になった気持ちで植物観察してみてはいかがでしょうか。今まで気がつかなかったことを発見できるかも知れませんよ。
↓以下で答え合わせをどうぞ。↓
☆第一問☆
アカツメクサとも呼びますね。この花の白花もたまに見かけますが、それは「シロバナアカツメクサ」だそうです。なんだか複雑ですね。
エストロゲンとイソフラボンを含み、女性に嬉しい薬効もあるためハーブとして多用されています。小花をじっくり見てみると繊細で美しく、びっくりしました。
☆第二問☆
日本三大民間薬のひとつ、万能選手です。独特の匂いがその効能の高さを表しているのでしょうか。加熱すると匂いが和らぐそうで、天ぷらにして食べても美味しいそうですよ。ドクダミは実を付けず地下茎で増えます。なぜこんなにきれいな花(のように見える)を咲かせるのでしょう。
☆第三問☆
小さい頃食べられるかどうか実を割ってみた方いらっしゃいますか?真っ赤で美味しそうに見えるのに中身はフカフカで水分なし。ヘビも食べないそうですよ。緑の地面に赤い実がちりばめられている様子はとてもかわいらしいですよね。
☆第四問☆
名の由来は、花穂につく小花の形が弓矢を入れて背中に背負った道具である靫(うつぼ)に似ていることに由来するとのこと。この植物も薬効があり、漢方薬にも使われているそうです。ひとつひとつの小花があんなに美しいとは近づいて観察してみて初めて分かりました。
☆第五問☆
小さな星形の白花が房状に集合しています。この花が夏の訪れを知らせてくれます。群生している箇所では花房が同じ方向を向いていることに気がつきます。太陽の方向でしょうか?「○○トラノオ」っていろいろありますよね。ウミ、ヌマ、イワなど。空気清浄効果で人気のサンスベリアも別名「トラノオ」。虎のしっぽをよく見たことがないのでピンときません。
☆第六問☆
こちらも初夏を知らせる花です。ちいさなベル型の花が可愛いですね。名前の由来は花の形が釣鐘、根が朝鮮人参に似るというところからだそうですが、この植物も本公園の指定植物のため引っこ抜いて根の形を確認できていません。
☆第七問☆
三陸をはじめ海の岩場や崖地ではよく見られる植物です。シワシワで分厚い葉っぱは一見作り物かと思うほど印象的です。花は地味で目立ちません、葉っぱが主役の植物です。見つけたら是非葉を触ってみてくださいね。
☆第八問☆
花菖蒲の原種です。紫色の花弁に黄色い筋が入ってド派手な印象です。黄色い筋は蜜へ導く印なのだそう。この植物の受粉システムは非常に興味深いです。碁石海岸ではニッコウキスゲが終わるとこの花にバトンタッチ、場所によって一面のノハナショウブを楽しむことができます。
☆第九問☆
小さな花でも面構えはしっかり蘭です。花の色が柿の実の色に似ているからこの名が付けられたそうです。オレンジで目立ちそうに思うのですが、上から眺めると緑がかった色で見つけにくいです。碁石海岸でも数が多くはないので大切に見守っていかなくてはならない植物です。