アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
シカはどこにいる?
2021年06月17日
白神山地
今、全国各地でニホンジカの増えすぎが問題になっています。森の植物や畑の作物、植林した木々をニホンジカの群れが食い荒らしてしまうのです。
江戸時代以前には白神山地周辺にもニホンジカが暮らしていましたが、狩猟によりこの地域のニホンジカは絶滅したと言われています。ところが近年になって再び姿を現すようになりました。
このシカの動向を探るため、西目屋自然保護官事務所ではいくつかの調査を行っています。そのうちの1つがボイストラップ調査です。
9月~11月の間に森の中に録音機を設置して、シカの鳴き声を調べるのです。
ニホンジカは繁殖期になると、オスが縄張りを主張して大きな特徴のある声を出します。これを記録してニホンジカの生息状況を把握しようというものです。
今は秋の設置に向けて白神山地周辺を見て回り、どこに設置したらよいか探っています。
あちこちで食べ痕が見つかります。ただ、問題は白神山地にはカモシカも生息していることです。
食べ痕をみただけでカモシカのものかニホンジカのものか区別するのは容易ではありません。
食痕に残った唾液を用いてシカかカモシカかを識別する検査もあるのですが、今のところ、
西目屋自然保護官事務所ではうまくいっていません。
試行錯誤が必要です。