アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
みちのく潮風トレイル協働巡視(多賀城市編)
2021年05月31日こんにちは、名取自然保護官事務所の富樫です。
今回はトレイルの維持管理についてお伝えします。
先日、多賀城市さんよりお声がけをいただき、
多賀城市区間のトレイルの状態把握(巡視)を合同で行ってきました。
みちのく潮風トレイルの状態把握など維持管理については、
「東北太平洋岸自然歩道(みちのく潮風トレイル)運営計画」に基づき、
関係機関の協働の下で実施されています。
「運営計画」について詳しくは以下のURLをご参照ください
○東北太平洋岸自然歩道(みちのく潮風トレイル)運営計画
今回の状態把握(巡視)は、統括本部のみちのくトレイルクラブ、多賀城市、環境省の合同で行いました。
写っている関係者は以下の通りです。
(写真左から右に順番に)
[統括本部]NPO法人みちのくトレイルクラブのNさん
[地方公共団体]多賀城市商工観光課のKさん
[東北地方環境事務所]名取自然保護官事務所 レンジャーの渡邉さん
(渡邉レンジャーは本年4月より着任いたしました)
【多賀城市:末の松山】
写真は、Kさんから見所の一つである「末の松山」について解説をお聞きしている様子です。
「名勝「おくのほそ道の風景地」のひとつとして国の指定を受けています、
松尾芭蕉はハイカーの先人ですね!」
と教えていただき、みなで深く頷いたのでした。
Kさんのご案内のもと、
全区間(さんみらい多賀城復興団地 → 多賀城駅 → 多賀城政庁跡 → 陸奥総社宮)を
約3時間半かけて巡視し、特に通行に支障がないこと等を確認いたしました。
当方からは近々設置予定の標識(道標等)の位置などについてご説明させていただきました。
そこで歩くことによって改めて知り得た多賀城市区間の特色について
今回も率直に述べさせていただきます。
[さんみらい多賀城・復興団地周辺エリア]
・当時の津波被害状況(津波到達高さ等)を感じられる場所がある。
・今後の大規模災害に備えた復興(災害時の救援物資集積ターミナル等)の姿を知ることができる。
・復興団地前の花壇がきれいに整備されているが、実は周辺企業のみなさんが行っている。
[国府多賀城駅周辺エリア]
・古くからの住宅地から新興住宅地まで、時代とともにあった変化の歴史を感じられる町並みである。
・トレイルルートと重なる奥の細道の風景地は過去(歴史)と現在(日常)が交差する空間である。
・公共施設(市立図書館、市役所等)もエピソードや趣があり、見どころ満載である。
[多賀城政庁跡を中心とする国府多賀城駅から陸奥総社宮周辺エリア]
・歴史にまつわる見所が点在している。
・緑が多く、その中に広大な多賀城政庁跡がある。
・四季折々の草花が楽しめる箇所が点在している。
・加瀬沼周辺には森林の中を歩けるルートがある。
さて、みなさま、どのようにお感じいただけましたでしょうか。
今回このようにお伝えすることができたのは、多賀城市Kさんのおかげです。
Kさんは多賀城市の文化や歴史等に精通されており、今回の巡視では
さながら観光ガイドのように、トレイル上の見どころについて
そして多賀城市の見どころについて、ここには書き切れないことも含め、
たくさん教えてくださいました。
巡視本来の目的はトレイル(路体)の状況把握にありますが、それのみならず、
その地域(特色・魅力)を知ることがとても大切です。
その地域のすばらしさを自ら知ることによって、これからどのように
トレイルを管理していくか、そしてどのように広くたくさんのみなさまに
この地の魅力をお伝えし、トレイルを楽しんでいただけるかを考えることができます。
みちのくトレイルクラブ(名取トレイルセンター)のNさんからは今後も
多賀城市区間に関する情報やイベント等の情報発信がなされると存じますので、
その情報を得た際には、本日のAR日記を思い出していただけましたら幸いです。
これからも関係機関の協働の下、トレイルの魅力発信に努めて参りますので
どうぞよろしくお願いいたします。