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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

「10月後半の裏磐梯PV活動報告」

2020年10月22日
裏磐梯 田中謙行

「磐梯山巡視」

こんにちは。裏磐梯自然保護官事務所の田中です。

10月18日(日曜)にPV活動の一つ磐梯山巡視に行ってきたので写真と共に報告です。

その前に磐梯山の概略として、磐梯山は溶岩層と火山灰層でできた標高1,816mの成層火山です。今から132年前の1888(明治21年)7月、大噴火がおきました。マグマや溶岩によって地下水や地表水が加熱されて生じた水蒸気爆発による壊滅的な噴火でした。強力な爆発によって磐梯山の4つの峰の一つ「小磐梯」(磐梯山北側の標高1,800mの峰)が山体崩壊し、大規模な岩なだれを引き起こしました。岩なだれは村落を完全に破壊し、渓谷をせき止め、およそ300の湖沼が形成されました。現在ではその美しさが磐梯朝日国立公園の大きな魅力となっています。磐梯山は、固くなった溶岩層や、火山灰、軽石、岩屑などで構成されており、山体崩壊は、この種の火山の断面を目視できる珍しい場所で、地質学上でも重要な場所になっています。

磐梯山の頂上に登るには難易度の異なる6つの登山道があります。

今回の巡視は、裏磐梯登山口から噴火口経由~天狗岩分岐~弘法清水小屋~磐梯山山頂~弘法

清水小屋~お花畑~銅沼経由~裏磐梯登山口のルートで巡視を行った。

R2.10.18 am9:15 出発。

駐車場はいっぱいいぱい。 am秋晴れ。

「携帯トイレ回収BOX」この他計3か所に設置及び撤収を裏磐梯ARが行っている。

「噴火口登山者カウンター」この他に管内計9か所設置及びデータ回収、撤去を裏磐梯ARが行っている。

噴火口と火口原。

火口原。

足元にはシロタマノキの群生。めんこい。


白樺の林。

振り返れば喜多方市上空の雲海。

櫛ヶ峰。

三合目分岐からの磐梯山。

左に喜多方市雲海、手前は銅沼、奥には桧原湖、右手は五色沼。

奥には安達太良山系。

左に赤埴山、中央に沼ノ平、奥には猪苗代湖。

弘法清水小屋前。

弘法清水小屋簡易トイレブースが2つになりました。携帯トイレ袋のみ使用可能で1袋350円。

山頂。

山頂からの猪苗代湖。

山頂からの会津若松市内。

山頂からの桧原湖。

紅葉シーズンと日曜日というのもあってか、かなりの人出があり賑やかな磐梯山であった。

お昼になってからは、あいにくの曇り空になり気温も冷え込んで来たので弘法清水小屋の「なめこ汁」を頂く。身体もあたたまるし、お味も絶品。

帰りは、行きとは違うコース(お花畑経由で八方台登山口方面に下り、途中分岐で銅沼を経由して裏磐梯登山口)で下山する。

紅葉はまだ黄色が多く、見頃はこれから今月いっぱいと思われる。

「銅沼」右手には噴煙。磐梯山の鼓動を感じる。

「銅沼」水位がかなり引いていた。普段は岩の白い線まである。

今回は「アキノキリンソウ」が見送ってくれた。

最後は、桧原湖を見つめる「たそがレンジャー」1号、2号。

今回の巡視では破損など目立った問題はなく、人が多いわりに落ちてるゴミも少なかったので、山でのマナーが浸透してきていると信じたい。しかしながらコロナ禍の影響か今年はマスクの落とし物が多い。

心の豊かさを求め、ますます高まるであろう自然志向。レジャーの多様化とともに磐梯山周辺でも植物の踏み荒らしや水質汚染、生態系の変化など少なからず自然環境の傷が深まっていると感じている。「黄金の山、湖、里」の雄大な自然をいかに守り、次世代に引き継いでいくのか。つなぐ私たちに課せられた責務は大きいと思った。

今回はここまで。