アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
「雄国沼笑う。そして龍神様現る」
2020年06月10日はじめまして。
裏磐梯自然保護官事務所の小野寺浩詩と申します。
アクティブ・レンジャーとして初めての日記をお届けします。
内容は6月2日に地元の方々と一緒に、雄国沼の巡視と公衆トイレの開所作業を行ってきた際のものです。
どうぞお付き合いください。
まずは、私も初対面となる雄国沼とその周囲の山々を御覧ください。
磐梯朝日国立公園に位置する雄国沼一体は、猫魔ヶ岳の噴火でできたカルデラで数多くの湿原植物やニッコウキスゲの大群落が見られ、国の天然記念物に指定されています。
この場所を訪れるのを楽しみにしている方も多くいらっしゃると思いますが、あいにく現在は新型コロナウイルスの影響により、周辺の登山道等の利用が制限されています。また、例年初夏に運行されているシャトルバスも今年は運転取りやめとなり、マイカー規制も行われるとのことです。
しばらくはここを訪れることが難しいと思いますが、喜多方市及び北塩原村のWebページ等で情報を確認して、雄国沼との出会いを楽しみにしていただければと思います。
さて、私の方は地元の方々と公衆トイレ開所作業を無事に終え、その後湿原の木道の巡視を行いました。湿原の中を縫うように通る木道の上を歩いていると、まだ春のようなさわやかな風を感じることができました。
公衆トイレ(作業前(左)と作業後(右)の様子)
これから先は、雄国沼を訪れることが難しい今、皆さんに少しでも現地の景色等をお届けすることで雄国沼を感じていただければと思います。
湿原の中の木道(晴れ渡る空、さわやかな風、最高の天気に恵まれました)
タテヤマリンドウ
リュウキンカ
巡視ではこれまで何十年も雄国沼の自然を見守ってきてくださった方にお話を聞く機会にも恵まれました。
その中で、湿原が少しずつ草原に変わってきているということを伺いました。雄国沼初対面の私ではなかなか気づくはずもなく、ずっと見てきた方の実感のこもったお言葉でした。
巡視が終わり、帰り間際にもう一度雄国沼の方を見てみると、笑顔で見送ってくれている沼の上に龍神様の姿がありました。この日は雨の予報も出ていただけに、きっとこの龍神様が天気にしてくださったのかなとしみじみ思いました。
龍神様現る
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。