アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
出前授業に行ってきました*2020~陸前高田市広田小学校~
2020年06月30日こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。
梅雨らしくしっとり鈍色の空が続いている大船渡、
東北の短い夏に向けてこの時期にしっかり大地に水分を蓄え中です。
陸前高田市黒崎仙峡(くろさきせんきょう)展望台から眺める椿島(つばきしま)。
今回は6月24日に陸前高田市広田小学校へ出前授業に行ってきた様子をご報告します。
広田小学校への課外授業は今年で3年目。
6年生の総合学習「地域(広田)の宝を見つける」をテーマに
震災後の砂浜植生再生でご尽力されている岩手県立大学准教授島田先生とタッグを組んで
三陸復興国立公園・みちのく潮風トレイルを舞台に授業を行っています。
野外活動の前に教室での講義。
国立公園やみちのく潮風トレイルについて説明しました。
大切な自然、後世まで残したい自然、守ることはもちろんだけど
その素晴らしい自然を利用し楽しむための公園でもあるんだよという内容です。
広田小学校のある広田半島は先端の沿岸部ぐるっと三陸復興国立公園に指定されています。
そこに住む地元の人はその環境が当たり前すぎて気づきにくいですが
子どもたちには自分たちの住む地域が貴重な環境であるということ、
自然の素晴らしさや大切さを大人が伝えていくことが必要です。
自分たちの生まれ育った土地を様々な角度から知っておくことが
将来訪れるたくさんの出会いの中、役に立つ瞬間があると信じています。
教室での講義の後はお楽しみの野外活動、現地散策です。
舞台は三陸復興国立公園内に整備された自然歩道『黒崎仙峡を訪ねるみち』の一部です。
ここはみちのく潮風トレイルの陸前高田市ルートのハイライトと言える場所。
花や木々など植物はもちろん、浜や漁港なども含まれていて、
自然を生かして自然と生きる ということに触れることができます。
現場でのみんなの様子をご紹介します。
「島田先生のワークシート 黒崎仙峡でビンゴ」
「きれいな景色と思った場所で写真を撮る」
「ミサゴの巣を発見!ヒナが動いている!!!」
「おいしい恵みを特別に試食」
震災後、工事だらけの通学路。
ほとんどの生徒がスクールバスで登校しています。
外を歩くということ自体少なくなってしまっている今の子どもたち。
みんなと一緒に屋外を歩いて勉強なんて滅多にない機会に子どもたちはもちろん先生も笑顔。
広田の自然に触れ、何を感じてくれたでしょうか。
今回の野外活動の他、地域の宝をまだまだ調査する予定のみんな、
秋には調査したものをまとめて「広田のお宝マップ」を完成させます。
地域の宝のひとつとして自然を学んでいますが、
実はこの子どもたちみんなが地域の宝。
みんなが作る「お宝マップ」が今から楽しみです。