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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

弥生の空

2020年03月27日
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ

令和元年度も間もなく終わろうとしている十和田湖畔。

吹雪く日もあり、うららかな日もあり、波瀾万丈の人生ドラマを見ているようです。

  春の兆しとともに、別れもあり、新たな出会いもあり、3月は様々な想いが交錯する時です。

【風が無く穏やかな早朝の発荷峠から南八甲田をのぞむ3/27】

【穏やかな月夜の十和田湖3/9】

【吹雪の十和田湖3/16】

デデッポー デデッポッポーと林の中から声がします。

キジバトでしょう。初鳴きなのかどうか、今年に入り初めて耳にしました。

ハトは餌の見つけやすい暖かい場所で生活しているのか、冬の間は十和田湖畔で声を

聞くことはありませんでした。

湖畔で樹木調査をしていたら、まだ雪の残る湖畔にウサギの足跡がありました。

ウサギにも利き手(足)があるらしいことを最近教わりました。

【湖畔のウサギの足跡 前足のついている位置を良くご覧ください】

萼片が赤いマンサクは満開を過ぎましたが、赤くない種類の花がまだ咲いています。

一般的に早春に咲く花は、花粉媒体であるハエやハナアブが少ないので花期が長く、

マンサクは赤い部分が肉を連想させるように出来ているそうです。

確かにかすかに肉桂の香りがします。

赤い部分がないマンサクは他のマンサクよりも遅い開花や、長い花期で対抗しないと

結実することが出来ないのでしょう。

【萼片が黄色いマンサク3/25】

【萼片が赤いマンサク3/16】

春を感じるのは、その空気感だったり、春紅葉に染まる山の色合いだったり、鳥の声だったり、

自然の中にいると五感をフルに刺激されます。山菜も春の香り満載です。

十和田湖畔にもフキノトウが顔を出し始めました。

【雄花でしょう】

マンサクの次に春の色を披露してくれるカツラの開花も待ち遠しいです。

あらゆる生命が輝き始める早春の十和田湖畔の様子を、お届けするのがますます楽しみな季節の到来です。