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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

国立公園巡視*釜石市箱崎半島

2020年01月20日
三陸復興国立公園 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

久々の投稿になり恐縮ですが、2020年もよろしくお願いいたします。

昨年の秋は各地で台風被害が多発し、未だに完全なる復旧に至っていない地域も多くあります。

三陸復興国立公園も例外ではなく、各地で土砂崩れや作業路崩壊など被害は多く、

まずは生活圏の復旧が最優先で施され、その後徐々に商業・漁業・林業圏等へと移行し、

休むことなく完全復旧へ向けて前に進む姿を毎日目にしています。

釜石市の北部、箱崎半島は南東海上に特別保護地区の三貫島を臨め、先端南側に景勝地御箱崎千畳敷を有し、

半島沿岸部ほとんどが第2種特別地域に指定されている守りたい海岸景観を持つ半島です。

半島内にいくつか点在する集落をつなぐように半島をぐるっと林道が巡っていて、

その林道は環境省が進めてきたプロジェクト「みちのく潮風トレイル」のルートにもなっています。

台風19号が東北を襲った直後、この林道も倒木や土石流で寸断している箇所も多くありましたが、

地元有志の方々、市行政、復旧作業者そして訪れてくれたボランティアやハイカーの方々など

たくさんのお力により復旧が進んできています。

その進捗具合を確認しに現地入りしてきたのでご紹介します。

【左】両脇にガードレールがある道。大量の水の流れにより路面が掘れてしまい車両通行困難となってしまいましたが、元の道の山側の林を少し切り開き、作業車両が先に進めるよう迂回路ができていました。
【右】路面が掘れた先には道路崩落。ガードレールもぐにゃり。

 

 

大量に雨水が集中し流れた箇所の人工物はことごとく破壊されていました。これらの場所のすぐ横に視線を動かせば何事もなかったように佇む木々。
 

 

道がすっかり崩落してしまい、跡形もありません。堆積している土砂の歩けるところを選んで歩き、前に進みます。

 

 

作業車が入り、道を直しています。一般車両は通行できませんが、歩く場合には作業員の方へ声をかければ問題なく先へ進めます。「歩いてるなんて元気だね~、ご苦労様!」と励まされ、「こちらこそありがとうございます!」そんな掛け合いが嬉しいですね。

 

 

今回は車両で行ける千畳敷遊歩道の根元大沢遺跡駐車場から桑の浜漁港までの約17㎞を歩いて調査しました。

冬のこの時期は落葉し、視界が良くずっと海を目や耳で感じながら周遊できます。

復旧に向けて前進する箱崎半島のパワーを感じられて、安心できた巡視となりました。