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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

アクティブ・レンジャー古館の今日この頃Vol.4/2019

2019年08月09日
宮古 古館 百合子

みなさん、こんにちは。

先月、岩手県宮古市にある国指定鳥獣保護区の日出島(ひでしま)に上陸してきました。

この島は、環境省レッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)で、絶滅危惧IA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)に指定されているクロコシジロウミツバメの繁殖地です。

クロコシジロウミツバメの巣穴は以前に比べて減少しているため、繁殖しやすい環境づくりに取り組んでおり、今回は、一昨年と昨年設置した巣箱で実際に利用があるか確認します。

 

最寄りの漁港を出港して、いざ上陸。

※この島は上陸に許可が必要で、誰もが立入れる場所ではありません。

お分かりになりますでしょうか、この急傾斜。

岩場から水平にロープを伝い、さらにかなり角度のある斜面を、ロープを何本も持ち替えながらのぼります。

(※翌日から数日間筋肉痛になりました...)

 


島の足元には、同島で繁殖しているオオミズナギドリ(クロコシジロウミツバメより大きい鳥)の巣穴がたくさん。横穴を掘って生活するため、足を置くところを間違えると横穴に落ちてしまい、横穴をふさいでしまいます。なので、注意を払って歩かなければなりません。

ちなみに、調査にご協力いただいている研究所の方によると、この巣穴の密集具合は日本一だそうです。

 

さっそく巣箱を設置したところで利用状況の調査を行います。


確認の仕方は、巣箱を開けて目視での確認とCCDカメラで行います。

写真はCCDカメラを巣穴に入れているところ。

残念ながら私がCCDカメラを入れた巣箱での利用は確認できませんでした...ですが、別の巣箱でクロコシジロウミツバメらしきの親鳥の利用が確認できました!

私自身、初めての確認で大変嬉しく思いました。

 

そのほか、コシジロウミツバメの親鳥や雛も確認、さらに、昨年度クロコシジロウミツバメの営巣エリアを守るために設置した金網(ウミツバメが入れる大きさ)のエリアでは、巣箱を使わない自然巣が18巣(うち、クロコシジロウミツバメを含むウミツバメ類と考えられるものは14巣)確認できました。

【左:コシジロウミツバメの親鳥と卵、右:雛】

 

次回調査はクロコシジロウミツバメ雛の確認を目的として今年度実施予定なので調査後またご報告いたします。

 

ではまた、Vol.5で。