アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
首崎(こうべざき・大船渡市)の自然環境調査
2018年10月18日こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。
紅葉の便りが各地から聞こえていますが、三陸沿岸はまだもう少し先のようです。
先月になりますが、大船渡管内でも特に自然性が高く、独特な景観を持つ
三陸町崎浜の首崎(こうべざき)へ自然環境調査へ行ってきました。
昨年6月以来で、今年は季節を変えて初秋に実施しました。
首崎は太平洋に突き出た半島先端にあり、雄大な外洋・海食崖・連なる半島など絶景が眺められる場所です。
徒歩でしか到達できない先端、そこで見る景色は格別ですよ。
気軽に訪れることができないため、パークボランティア活動の一環で不定期に調査しています。
半島先端へ向かうため、序盤は林道を歩きます。
この林道はしっかりした作業車であれば通行できます。
私たちはせっかく気持ちのいい道なので歩いて進みます。
林道に別れを告げ、先端へ向かううっすら残る道へ逸れます。
半島先端部の自然の厳しさを示すように、木々はまっすぐ高く伸びずぐにゃぐにゃ。
強風で倒れている木もいい雰囲気です。
林道を逸れてから1㎞ほどでこの辺りでは珍しい、カシワの群生林。
その先いよいよ木々は少なくなり、視界が開けてきます。
夏と違って咲いている花は少なく、木の実や種など落ち着いた感じ。
馬の背、道なき道を先端目指して進みます。
陸中南部地区の海岸部では珍しい草地の植生になっています。
すぐ下に崖、岩場、荒波が見えるので高いところが苦手な方はちょっと大変です。
いよいよ首崎灯台が見えてきました。
すぐ下の斜面が崩れてきているように見えます。
このまま崩れが進んでいくと、灯台のある先端へ行けなくなってしまうかもしれません。
昨年の調査の写真と比べてみます。
撮影するときの立ち位置がちょっとずれていて、左側の斜面の崩れ具合が昨年の写真では見えませんが
赤丸の箇所に注目、昨年は崩れて草が剥げてしまっていた箇所が植物で修復されているのがわかります。
稜線に沿って生えるマツも一回り大きくなっています。
崩れが進んでいるかと思われる左側の斜面を次回はしっかり記録してこなくては。。。
引き続き、首崎の植生、地形などの変化を記録していこうと思います。
この日見られた植物たち。
厳しいこの秘境の地でひっそりと生きているかと思うと愛おしくて仕方ありません。