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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

山林火災その後 自然環境モニタリング*4月

2018年04月19日
大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

大船渡の桜も満開を過ぎ、待ちに待った春本番。

お散歩人口が一番増える時期ですね。

植物たちの芽吹きが徐々に始まってくるこの時期、

以前レポートした山林火災現場、釜石市尾崎半島の植物たちはどうなっているでしょう。

今年度は、火災後の自然の回復状況を把握するため定期的に入林し、モニタリングしていこうと思います。

相変わらず黒焦げの樹木たちは整然と立ち並んでいますが、

傾いたり倒れたりしているものが目につきました。

半島南側では被害木の伐採作業が進んでいました。

まるっと一山、樹木がなくなります。

伐採作業も、運搬作業も大変です。

約6kmの自然歩道のうち、火災被害に遭った箇所を通過するのは7割ほど。

その歩道沿いで見られた植物を記録します。


スミレ類が多く見られました。

昨年ここで起きた火災はゴールデンウィークの後半でした。

スミレ類のほとんどはすでに花期を終えていたでしょう。

地面が火で覆われても、落ちていた種子は耐え抜いたということでしょうか。

その他、目立ったのは『マルバダケブキ』。

シカが往来した痕跡はありますが、やはりマルバダケブキへは見向きもしないようです。

このマルバダケブキはこの辺りどこの半島でも群生が目立ちます。

シカの食害を免れて増えているのでしょうか?

また一区間に限って見られた『シャグマアミガサダケ』。猛毒です。

火災との関連性は不明ですが、一区間にだけ生えていたことが気になりました。

ここ尾崎半島は、モミ自生林の北限と言われている場所です。

半島の中間あたりから先端へかけて、モミの木が群生していましたが、

火災の影響でどうなってしまうでしょうか。。。

幹が黒くなっていない、火が回らなかったと見られるモミの大木ですが、緑の葉はついていません。

本来常緑のモミ、新しい緑の葉をつけてくれるでしょうか。

このように、火災現場のその後の自然環境の変化を

様々な角度で観察をしていこうと思います。

またご報告します。

*おまけ*

尾崎半島の中間地点、青出浜(あおだしはま)にある尾崎神社。

火の手がここ尾崎神社にも回ってしまう・・・という状況下、

何としてもこの神社だけは守らねばと地域の方々の消火活動が必死で行われたそうです。

その境内で見事なヤブツバキの満開を見ることができました。