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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

私たち白神探検隊

2018年02月22日
白神山地 佐々木 春佳

みなさんこんにちは。白神探検隊隊長の佐々木です。

白神探検隊とは、私たちと共に白神山地を探検している西目屋小学校の4年生5名のことです。実は、これまで、春と夏にも探検に行ってきたのですが、今回は冬の白神探検の様子をお伝えします。

これまでの探検を通して、生きものの探し方や双眼鏡の使い方が上達してきた隊員たち、今回は自ら生きものを見つけることもできました。

例えば、不自然に重なっているミズナラの枯れ葉を発見した隊員のひとり、そーっと重なりを開いていくと・・・

越冬中の細長い虫が何匹かでてきました。寒いと言わんばかりにうごめく虫を、何匹いるのか熱心に数える隊員たちの姿に思わず感心してしまいました。

周りに集まって葉っぱの中をのぞき込む隊員たち[葉っぱの中をのぞき込む隊員たち]

他にも、鳥の鳴き声が近づいてきた時は、目視で姿を確認、中には双眼鏡を使って観察することができた隊員もいました。ちなみにこの時に見た鳥は、下見の時に皆さんにもご紹介したコゲラでした。

コゲラのいるところを指さす隊員、双眼鏡をのぞく隊員[コゲラを指さす隊員と双眼鏡を覗く隊員]

スノーシューでの歩行にも慣れた隊員たち、じっくり生きものを見た後は斜面上にあるブナの巨木を目指して競争、雪の中を全力疾走しました。

未圧雪の山の中、ブナの巨木を探す隊員たち

[ブナの巨木を探す隊員たち]

今回は春と同じ探索ルートで、春と冬の白神山地の違いを見てきた隊員たち。ブナの巨木は春にツキノワグマの爪痕を見た木で、この辺りでは一番大きく、立派なブナです。探検時に目印になる木なのですが、今まで愛称がありませんでした。

そこで、この巨木に一番にたどり着いた隊員が愛称をつけることになりました。

斜面上のブナを目指して走る隊員たち[写真左奥に見えているブナの巨木]

命名者は悩んでいましたが他の隊員からの賛同もあり、最終的に「フォレストキング」に決まりました。きっと来年度の4年生もフォレストキングを目指して探検に来ることでしょう。

さて、探検はここで終わりです。

午後、児童たちは津軽ダムパークへ行きました。ここでは、白神山地を水源としている津軽ダムの説明を受け、ダムの機能や、ダムと生きものとの関わりを学びました。

津軽ダムパーク内で説明を受ける児童たち

たくさんの発見、学びのできた児童たち。お天気も良かったので、最後にそり滑りもしました。

まっさらな雪の斜面をそりを持って登る児童たち二人乗りソリに乗り、笑顔で滑ってくる女子児童2人

帰りのバスの中では熟睡するほど体力を使った児童たちと、私も楽しい時間を過ごすことができました。

3月、児童たちは一年間をかけて学んできた白神学習の集大成をまとめる予定です。どのようなものになるのか楽しみです。