アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
山林火災のその後 釜石市平田
2018年01月19日
三陸復興国立公園
建物の壁でも、象の足でもありません。
こんにちは。
大船渡自然保護官事務所の坂本です。
今回は、山林火災現場その後の調査へ行ってきた様子をお伝えします。
昨年春、釜石市平田で大規模な山林火災が発生しました。
この火災は、鎮圧まで約1週間かかり、延焼面積推定およそ400ha。
現場の一部が国立公園であり、また"東北自然歩道-リアス海岸尾崎半島のみち"が通っています。
半島先端部は車道がなく、消防車がたどり着けない現場だったので
消火活動をしていた皆さんのご苦労を考えると言葉になりませんでした。
炎に包まれた高さまで幹が真っ黒で、
高いところ葉は、茶色く変色し、
ほとんどの木が枯れてしまっているようでした。
一番最初に載せた写真は、この現場で撮った焼け焦げた樹皮のズームです。
人間の背丈をはるかに超す高さまで炎が上がったことが想像できます。
この日調査したルートは、東北自然歩道をたどる、片道約6㎞。
尾崎白浜から青出浜経由、半島先端の尾崎灯台までです。
消火活動に海水を使用したため、植栽可能な土壌環境に戻るのに
数年は要するだろうという話もありましたが、
ところどころ新しい息吹きが感じられました。
火災被害の及ばなかった半島先端には、変わらず
海を照らす任務を続ける尾崎灯台とリアスの絶景があります。
これからの尾崎半島を見守っていかなくてはと思いました。