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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

19年目のブナ林モニタリング調査が完了

2017年11月17日
白神山地 佐々木 春佳

みなさん、こんにちは。

11月上旬、本年度のブナ林モニタリング調査を終えましたので、その様子をお伝えします。

西目屋自然保護官事務所では、白神山地の世界遺産地域内に設定した調査地(モニタリングサイト)において、ブナ林の動態を調査している、世界遺産白神山地ブナ林モニタリング調査会のお手伝いをしています。

1999年から始まったこの調査は今年でなんと19年目です。しかし「100年、白神のブナ林を見守ろう!」という計画ですので、まだ計画の緒に就いたばかりであります。

そのため、一般の方々や大学生(民)、研究者(学)、西目屋自然保護官事務所(官)が三位一体で協力し、多くの人が関わる事で調査を継続できる体制づくりに努めています。

調査会では、ブナ林で毎木調査(樹木の幹の太さを測る)、低木調査(木の高さなどを測る)、実生調査、リター・種子量分析、ササ調査、気象調査を行っています。

具体的には、モニタリングサイト内で新しく生えた芽や枯死した木がないか、木がどれだけ生長しているか、白神山地のブナ林が他の植物や気候とどのように変化しているのか(森林動態)を調べています。

森林動態を調べることで、白神山地のブナ林の変化を一早く知ることができ、地球温暖化やニホンジカの影響などにも素早い対策をとっていくことができるでしょう。

      [ブナの実生]          [ブナ林の林床に繁茂するチシマザサ]

さて、ここからは写真と共に今年度の調査を振り返ってみましょう。

[6月の調査地までの風景:雪解け水でまだ少し冷たい沢を歩きました。]

[9月のササ調査の風景:去年まで生きていたチシマザサが今年も生き残っているか、新しく生えてきた個体はないか1本ずつ調べていきます。]

[11月のリター回収の様子:リタートラップという仕掛けに落ちたリター(葉と枝)と種子を回収しています。すっかり落葉し、森の中は見通しも足下も良かったです。]

こうして、6月から始まった今年度の調査は、11月までに野外でのすべての作業を事故無く終えることができました。

調査にご協力いただいた方々、ありがとうございました。

その他、調査に関する詳細はこちらをご参照ください。

○ブナ林モニタリング調査会HP:http://monitoring.sakura.ne.jp/

○白神山地世界遺産センター(西目屋館)HP>調査研究・モニタリングhttp://tohoku.env.go.jp/nature/shirakami/research/