アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
白神山地の小さい生き物
2017年02月13日西目屋自然保護官事務所の野原です。
前回に引き続き、センサーカメラの調査結果の一部と白神山地に生息する生き物を紹介したいと思います。
http://tohoku.env.go.jp/blog/2017/01/post_193.html
(前回の日記も合わせてご覧ください)
このカメラ調査では主に白神山地に生息する中・大型哺乳類の種類を調べています。
(中型哺乳類といえば例えばタヌキやニホンザル、大型哺乳類といえばツキノワグマやカモシカなど)
目的としている中・大型哺乳類の他にも小さい動物が写ることもあるので、紹介したいと思います。
↑この写真の中に可愛い小型哺乳類が写っているのですが、どこか分かるでしょうか。
少し拡大してみました。
木の幹に注目!赤丸で示したところ、目が反射して光っているのが分かりますでしょうか。
何か生き物がくっついています。
同じ2016年10月の別の日の写真です。左下の方で木の幹から、何か飛び立ちました。
この動物の正体は.........
モモンガです!
↑の写真は同じ調査地点で、2015年に撮影しました。拡大すると、大きな目と長い尾がよく分かります。
この木では何回かモモンガが撮影されているため、カメラ調査の結果から「モモンガの巣穴がある」、もしくは「なわばりとしている」のかもしれないということが分かりました(あくまでも推測ですが)。
冬はアクセス道路が冬期閉鎖されてしまっているので、巣穴があるかどうか、確かめに行けないのが残念です!
モモンガは樹洞やキツツキの古巣などの木にあいた穴を巣として使って生活しています。
この調査地点ではキツツキの仲間のオオアカゲラも撮影されました。
ちなみに、モモンガがなぜ木の上で生活しているかというと捕食者を避けているからです。
同じ場所で、モモンガの天敵のテンもばっちり写っていました。
白神山地はブナ林が大規模に残っていて、そのブナ林の中で多様な生き物たちが関わり合いながら生息している「生態系」の豊かさが認められて世界自然遺産に登録されました。
まだ始めて4年しか経っていない調査ですが、撮れた写真からだけでも生き物同士の繋がりが見えてくるようでした。