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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

合同保全作業①朝日連峰編

2016年09月14日
羽黒 古川望

 8/27(土)朝日連峰オツボ峰付近にて、登山道の合同保全作業を行ってきました。

【砂防ダム状に土砂が堆積している様子】

 浮き石、という言葉を学んできました。この写真にある石は大きく2つに分けられます。「動かしてよい石、浮き石」と「動かしてはならぬ石」です。

 保全作業中に動かしてはならぬ石は、そこで生活している石です。石に寄り添うように草が生えています。地面にはまって土砂の流出を抑えている石もあります。一方で動かしてよい浮き石は、足下が固まらずにふらついています。

 作業で石を使用するときは、この浮き石を使うことで、そこで既に生活している石や植物の環境は変化させないようにしていました。

【保全作業地、2年後】

 素通りしてしまうほど小さい植物が生えています。ここはH26年に流路が深く掘れていて、手当てをした場所です。保全作業をして2年が経ちます。時間をかけて土砂が堆積し、そこに種子が入り込んだことで、植物が顔を出していました。

【モニタリングの様子】

 「2年で植物の侵入が見られるのは珍しい」と保全作業の参加者は体を屈ませて観察します。屈み込んで話す様子は明るく和やかで、見ている私も思わず笑顔になりました。土嚢やネットのハンモックをゆりかごに出てきた芽は、笑顔で話しかけられて大切にされています。

【当日集合写真】

 飯豊・朝日両会の保全作業が始まったのは、朝日は8年程前、飯豊は10年程前のことです。長い時間をかけて少しずつ保全手法を確立し、活動が続いています。活動の中では、一人一人を思いやる温和な気持ちも折り重なっているように思いました。

 

 次回は合同保全作業②飯豊連峰編に続きます。