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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

山の日制定記念 森吉山麓星空観察会

2016年08月17日
秋田 足利 直哉

 各地から「山の日」制定記念行事の報告があるようですが、森吉山野生鳥獣センターでも『山の日制定記念 森吉山麓星空観察会』を実施しました。森吉山麓は一部で「とっても星空のキレイなところ」と口コミで評判になっています。私も個人的に気に入っていて年に1~2回、キャンプ場に泊まって星空を眺めています。先日もこのエリアにあるキャンプ場に泊まった時、キレイな星空を見て感激しました。今年は『山の日』が制定されるし、その時期には流星群が見られるかも・・という事で、企画した新規の観察会です。

   

 講師には秋田大学教育文化学部の田口先生と毛利先生にお越しいただいて、まだ明るいうちから望遠鏡や観察会の準備をしながら天体観測を行いました。

     

 まずは様々な恵みをもたらしてくれる太陽の観察です。でも皆さんも知っているように太陽を直接望遠鏡で見ることは絶対にやってはいけません。ではどうやって太陽を観察するの?と思っていましたが、それ用の器具があるんですね。下左の写真が望遠鏡で太陽を観察している様子で、下右の写真が太陽を投影した像です。しっかりと黒点も見えていました。

   

 陽が傾き始めた頃、観察会を始めました。星空観察会をこんな明るいうちに始めるの?と不思議に感じるかも知れませんが、実は明るくても天体観察ができるんです。講師の田口先生のネタですが、この日は明るいうちから3つの天体が観察できていました。皆さん3つ全部上げられますか?一つは先ほど紹介した太陽ですが残り2つ答えは・・・。下の写真ではそんな話をしながら望遠鏡の使い方、星座早見表の使い方などを教えていただいている場面です。

      

     

 天体観察に興味を持っていてこの日を楽しみにして下さっていた方も多くいらっしゃいましたので、望遠鏡の使い方も星座の位置やその探し方なども真剣に聞いていました。実際に観察する際には、ご家族で参加される方々には家族で1台の望遠鏡を使っていただけましたので、それぞれ色んな星を探しては望遠鏡で観察していました。講師の毛利先生によればこの日は日月火水木金土の天体が観察可能という超貴重な機会だったようで、だから太陽が沈む前から観察を始める必要があったのです。実際まだ明るさの残る空を見上げると点々と輝く星が見えました。

    

  

         

 望遠鏡の使い方も直ぐに慣れてどの家族もどのグループもそれぞれで星を探して望遠鏡で観察していました。辺りが暗くなってくると一層星が明るく輝き出します。星空の観察をするときには大人も子どももワクワクが止まらないようで、土星を捉えた望遠鏡には直ぐに列が出来て、皆さん土星の輪をしっかりと観察して、感激の声を上げていました。

   

    

  

 天体望遠鏡で星を観察していると思いのほか早く星が動いて直ぐに望遠鏡の視野から外れてしまいます。これこそが地球が自転している証拠で、じっくり観察しようと思うと星を追いかけるのが結構大変です。家族やグループで観察していると、3人目くらいになるともう『何も見えない・・』なんてことが起こります。なのでお父さん達は忙しく星を探し、望遠鏡に捉える作業を繰り返していました。またこの時間帯になると流星も見え始め、望遠鏡で星を眺めるか、空を見上げて流れ星を探すか、ますます忙しくなってきました。私自身もとっても楽しく過ごしていましたが、楽しい時間はあっという間に過ぎていき、終了時間となりました。

   

 森吉山野生鳥獣センターの灯りを消すと周辺には人工の光がありません。だから星空の観察には絶好の場所ですが、帰りの事も考えて観察会は駐車場で行い、森吉山野生鳥獣センターからの帰り道にはしばらくの間、街灯がないのでまだ宵の口のうちに解散するように心がけました。

   

 最後になりましたが、参加して下さいました皆様ありがとうございました。是非来年も企画したいと思うのでその際は是非またご参加下さい。講師をつとめて下さいました秋田大学教育文化学部の田口先生、毛利先生本当にありがとうございました。主催者スタッフとして観察会に携わっていましたが、仕事しながらもワクワクしっぱなしで、星空への興味が膨らんでヤバイくらいです。