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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

森吉山麓コウモリ観察会を実施しました

2016年07月20日
秋田 足利 直哉

 しばらく投稿の間が空いてしまいましたが、その間仕事をさぼっていたわけでも、夏バテで倒れていたわけでもありません。今日も元気な秋田の足利です。

  

 7月17日(日)、森吉山鳥獣保護区で『森吉山麓コウモリ観察会』を実施しましたのでご報告いたします。今年で3回目となるこの企画は、森吉山野生鳥獣センター運営協議会行事の一つとして実施するもので、主催は森吉山コミュニティFM開局準備会、講師及び運営協力としてNPO法人コウモリの保護を考える会に強力サポートをいただいて実施しました。

 この日は、昼頃から雨が降り出してなかなか降り止まず、ハラハラしながら観察会の準備を進めていましたが、開始時刻になってもシトシトと雨は降り続いていましたが、先ずは森吉山野生鳥獣センター内で事前レクチャーの始まりです。

 講師をつとめてくれたのはコウモリの保護を考える会の作山さん。丁寧な語り口でコウモリの生態や、北東北のコウモリ生息地情報などを色々とお話ししてくれました。質問コーナーではドンドン手が上がりなかなか切り上げら得ないほどでしたが、それが参加者のコウモリへの関心の高さを物語っているようでした。

  

  

 そして天気予報があまり芳しくなかったので、コウモリの保護を考える会の皆さんは外での観察が出来なかった場合のことも考えて、コウモリの糞や鳥獣保護センターに傷病鳥獣として保護されたものの残念ながら死亡してしまったコウモリを標本にして持参してくれていました。参加された皆さんも標本を写真撮影したり、コウモリの糞を顕微鏡で覗いたりして、じっくりと観察していました。

  

  

 いよいよ野外観察へ出発。でも雨がシトシトと降っていて雨具を着用しての観察でした。そんなあいにくの天気にもかかわらず、コウモリはそれなりに活動していて、この日のために用意したバットディテクターというコウモリが発する超音波を我々の耳に聞こえる音に変換する機械をもってコウモリの存在を確かめました。

  

 

 暗闇の中での観察会ですが、森吉山野生鳥獣センター周辺は環境に恵まれていて、森吉山野生鳥獣センター周辺にコウモリも利用する水辺があり、そこまで道が車いすでも利用できる舗装道路になっていいます。その為、参加者が歩く直ぐ後を車両が随行して万が一に備えられますし、またこうした観察会になれたスタッフが揃っているので、参加者の安全確保にもぬかりはありません。万全の体制で実施しましたが、肝心のコウモリの活動がイマイチでした。

 参加してくれた方々は残念な気持ちも隠せない様子でしたが、逆にコウモリへの好奇心や興味が膨らんでいたようです。森吉山鳥獣保護区には色々なコウモリが生息していて、車で走行しながら飛んでいるコウモリを見ることもありますし、皆さんの周りの身近な場所にもコウモリは生息しています。これを機会にコウモリに興味を持っていただければ嬉しい限りです。

  

 最後になりましたが、NPO法人コウモリの保護を考える会の皆様、森吉山コミュニティFM開局準備会の皆様、森吉山野生鳥獣センター運営協議会のスタッフの皆さん、お疲れ様でした。お陰様で無事に観察会を終えることが出来ました。本当にありがとうございました。