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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

磐梯朝日国立公園 第8回 月山を外来植物から守ろう

2016年06月17日
磐梯朝日国立公園 古川望

 6月12日(日)、「磐梯朝日国立公園 第8回 月山を外来植物から守ろう」が開催されました。

 

 このイベントは、月山にもともと生育していなかった外来植物を、手作業によって除去していこうという活動です。今回はスタッフを含め43名の皆様と活動してきました。

 

 今回のイベントでは月山8合目の駐車場付近において、外来植物「セイヨウタンポポ」の除去を行いました。セイヨウタンポポの種子が「わた毛」になって飛んでしまう前のこの時期に除去作業を行うのは、昨年に引き続き2回目となります。

 

【セイヨウタンポポ除去作業中の様子】

 

 作業時間1時間弱で、37.1kgもの量を除去することができました。この場所のセイヨウタンポポが減った姿を、来年見ることができるのではないでしょうか。

 

 除去作業の後は、月山8合目弥陀ヶ原湿原の観察会を行いました。実は、通常この時期は月山8合目までの道路は通行止めとなっており、自らの足でたどり着かない限り弥陀ヶ原湿原を見ることはできません。ただ今回は、外来植物除去を含めたイベントということで、特別に許可を得て8合目に入らせて頂いております。そのため観察会は普段は中々見ることのできない、誰もいない早春の弥陀ヶ原湿原の景色と花々をゆっくりと楽しんだ、特別な観察会となりました。

 

【湿原観察会の様子】

 

 ご参加いただきました皆様、汗ばむ気温の中でも根気強い作業をありがとうございました。また、弥陀ヶ原湿原でのガイドを担っていただきました羽黒地区パークボランティアの皆様、ありがとうございました。

 

 ところで、どのようにして外来植物の分布は高山にまで広がったのでしょうか。それは種子が登山者の服、靴、工事用資材等に付着して運ばれてきたからだと考えられています。そのため月山8合目の登山道入口には、靴底マットが敷設してあります。登山道に入る前に、靴底に付着した植物の種子等を落としてから登山等をお楽しみ頂くことも、外来植物の分布を防ぐひとつになります。皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

 

【靴底マットで種子落とし】  

 

 (今回の外来植物の駆除作業は関係機関・土地所有者の了承を得て実施しております。月山の8合目駐車場より上は、磐梯朝日国立公園に指定されており、植物の採取は外来種であっても許可を受けなければ実施できませんのでご注意ください)