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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

冬の野鳥観察会 in 大潟

2016年02月15日
秋田 足利 直哉

 例年の2月中旬頃には、平野部にも白銀の世界が広がり、車の運転もかなり気を遣いながら・・というのが当たり前ですが、今年は秋田市の事務所から大潟村に向かう道路も田んぼも転々と雪が残っている程度となっています。

 野鳥たちはと言いますと既に「北帰行」を思わせる状況となっています。秋田市上空も南から北へ向かうガンの群れが見られますし、大潟村ではほぼ全域でガンの群れが採餌しているのが観察できます。塒となっている水域も既に結氷範囲はごく僅かとなっています。

 そんな中、2月14日(日)大潟村で野鳥観察会を実施しました。まさか、こんな状況になるとは思っていなかったのでタイトルを『冬の野鳥観察会』としていましたが、実際は冬と春が混在したような感じでした。

 観察会は東北地方環境事務所と秋田県鳥獣保護センターなどがある秋田県環境と文化のむらのとの共催で実施し、講師は日本野鳥の会秋田県支部の三浦(憲)さんと浜谷さんにお願いしました。

 当日はあいにくの雨・・雨・・雨・・・。でもあまり冷たさを感じさせない雨で、冬って感じがしませんでした。そんな雨の中、野鳥たちはいつもと変わらず過ごしていました。田んぼにはマガンやヒシクイのほか、ハクガンやシジュウカラガンがオオハクチョウ、コハクチョウらがそれぞれ群れで過ごしていました。数年前まではハクガンやシジュウカラガンはガンの中では少数派であったためか?マガンやヒシクイの群れの中に混じっている状態でしたが、最近は「ハクガンだけの群れ」、「シジュウカラガンだけの群れ」で過ごすのが当たり前になっているようです。この日もそれぞれの群れを遠巻きに観察しました。

じっくり観察できたのはハクチョウの群れ。数百羽の塊の中にオオハクチョウとコハクチョウが混じって観察し甲斐のある状況でしたが、更に亜種アメリカコハクチョウが混じっていたので、それぞれの違いをじっくりと観察することが出来ました。

   

 野鳥観察の様子。傘をさしたりレインウェアを着ながら。時にマイクロバスの中からやバスを風よけにしての観察でした。観察会当日は野鳥写真を撮影する暇は無かったので、前々日までに撮影した同じ様なシチュエーションの写真でご紹介!

     

 カモの群れです。池や水路で見られました。

  

 シジュウカラガンの群れです。比較的乾いた田んぼが好みでしょうか?

  

 ハクチョウの群れです。水路や田んぼで固まって過ごしています。

  

 この日、観察できた野鳥は25種+1亜種。あいにくの雨でバスから降りる機会が少なかったことを考えると

まずまずの数でしょうか?それでもハクガンやシジュウカラガンなど貴重な野鳥が雨でも元気に過ごす様子を観察できて、参加してくださった皆さんもそれなりに満足していただいたようです。

   

 これにて今年度の観察会は全て終了しました。これまでに参加して下さいました皆様、講師をつとめて下さった皆様、どうもありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。