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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

山田町エコツーリズム先進地視察in田野畑村

2015年09月10日
宮古 古館 百合子

宮古自然保護官事務所の古館です。

 

9月1日、山田町でエコツーリズムの取組を行っているメンバーや山田町役場関係者など13名が、体験型観光の先進地である田野畑村の机浜番屋群で視察会を行いました。

今回の視察は、机浜番屋群を運営しているNPO法人体験村・たのはたネットワークの方々や、田野畑村役場のご協力のもと、体験メニューやガイドの解説の中で、どのようにお客さんの満足度上げているのかなどを、各体験メニューを通して学びました。

 

机浜番屋群では、漁師の方々の作業場である番屋を拠点に、海水から塩を作る「塩づくり体験」や、地元の漁師の方が「サッパ船」と呼ばれる小型船で北山崎周辺の断崖を案内する「サッパ船アドベンチャーズ」などの体験メニューを提供しており、その中の4つのメニューを体験!

番屋群漁師ガイドでは、震災前の机浜番屋群の様子や地名(机)の由来、番屋の中に展示してある漁具などを、クイズを交えながら案内してくださりました。

【番屋群漁師ガイド】

 

塩づくり体験は、海水を汲んで塩づくり番屋内の窯に入れ煮立たせ、結晶化した塩の水分を蒸発させるまでの一連の工程を。また、番屋料理体験では、その日獲れた新鮮な魚を捌いたり、地元で獲れた食材を使用して漁師のお母さん方と一緒に和やかな雰囲気の中、昼食を作りました。

【塩づくり体験一時間コース】

 

【番屋料理体験】

 

そして4つ目の体験では、現役漁師の方の案内で「サッパ船」と呼ばれる小型船で北山崎周辺の断崖を案内していただきました。

【サッパ船アドベンチャーズ】

 

多少見えづらいかもしれませんが、○印で囲んだ部分にサッパ船がいます!200mある断崖をこんなに近くに見上げながら海上を進んでいくクルーズは、迫力満点!また、ガイドの方のお話しが面白く、とても魅力あふれるサッパ船アドベンチャーズでした。

 

各メニューを体験したあとは、机浜番屋群の立ち上げ・運営に携わっているNPO法人体験村・たのはたネットワークの方・田野畑村役場の方から、組織を立ち上げた当時のお話・運営体制や運営経費のお話などを伺いました。

 

一連の視察を終えて、机浜番屋群で体験型観光に携わる方々の、お客さまへの細やかな気遣いや工夫がそれぞれの体験メニューから感じられる部分があり、視察に訪れた山田町のエコツーリズムメンバーは、とても参考になったのではないでしょうか。

 

また、お話の最後にはNPO法人体験村・たのはたネットワークの方から「みんなで三陸を盛り上げていきましょう!」という言葉をいただきました。

山田町は、体験型観光を進めていく運営体制が十分に整っておらず、提供できる体験メニューも、モニターツアーを行うなどして試行錯誤している段階です。体験型観光の先進地である田野畑村とは違いがありますが、三陸で観光に携わり盛り上げようとしていることは同じ。お客さんの取り合いをするのではなく、地域全体で観光を盛り上げていこうという意識が伝わってきました。

 

 

今回の視察で体験したメニューは、一般の方々も体験できます。

机浜番屋群や体験メニューについて、興味がある方はこちらから↓

http://www.tanohata-taiken.jp/