アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
森吉で野鳥観察会を実施しました。
2015年06月15日日曜日、森吉山鳥獣保護区で(公財)日本野鳥の会秋田県支部の主催、森吉山野生鳥獣センター運営協議会と森吉山麓高原自然再生協議会の共催で、野鳥観察会『アカショウビンに会いたい』を開催しました。
天気予報は思わしくなく・・・特に午後からはところにより激しく降ることも!なんて言ってまして、実際に麓ではザーっと激しく降ったところもあったようですが、幸いにも活動時間中、雨を気にすることも無く過ごす事が出来ました。
左:開会時の様子 右:野鳥を観察する様子
野鳥の会秋田県支部の佐藤支部長より森吉山鳥獣保護区の昔の姿や、自然再生事業が行われている所のかつての姿にも触れて頂きながら、ご挨拶をしていただき、その後ベテラン会員の先導と要所要所での解説を交えての野鳥観察を行いました。
今年は植物のカレンダーが早めに動いている事もあって、既にブナの森は葉が茂り、野鳥たちの姿を探すのは厳しい季節となってしまいましたが、鳴き声のする方を見やって、あるいは木々や葉の間を飛び回る野鳥たちを素早く見つけ望遠鏡の視野に捉えて、その鳥の生態などを交えながら野鳥観察をしました。
この日、観察できた野鳥は27種類。そのうち姿が見られたのは、カケス、キセキレイ、アカゲラなど僅かでしたが、参加してくださった方々は雛に給餌するアカゲラの様子やアカショウビンの鳴き声に高い関心を示していました。
野鳥の他にも花や昆虫やキノコや樹木など野鳥が生息する環境も併せて観察しました。先日ばったりお目にかかった高名な先生に森吉のブナ林は『本当に素晴らしいし、平坦で歩きやすいから国内でも有数のふれあえるブナ林だ。』と評価していただきました。そんなブナの森で野鳥好きが集まってのんびりと行った観察会は、私も楽しかったです^^
左:エゾハルゼミ(見つけられますか?) 右:ギンリョウソウ
観察会後には森吉山野生鳥獣センター近くで、ブナやミズナラ、トチノキなどの広葉樹の植樹を行いました。森吉山麓高原で行われている自然再生事業は今年で10年目を迎えます。かつて牧場や牧草地だった場所を森に戻そうという取り組みを野鳥好きの方々にもお手伝いいただいて、野鳥の住み処や隠れ家、あるいは野鳥たちの食料となる実のなる樹を植えていただきました。
左:先ずは見本 右:植え穴を掘る(この作業が大変・・)
この日、初めて植樹を行う方もかなりいらっしゃいましたので、先ずは秋田県自然保護課の職員が植樹の見本をしめしてから、皆さんそれぞれ自分で植え穴を掘って、肥料等を入れてかき混ぜ、苗木を植えて、隙間無くきっちり固めて、目印をつけての一連の作業を各自でやっていただきました。
左:子ども達も頑張ってくれました。右:こうして丁寧に植栽すると、きっと!!
この場所に植えた苗木はその後、豪雪地帯で厳しい日々を過ごしていくことになるでしょうが、周辺には背丈も大きくなったブナの木もありましたので、100年後くらいにはきっと今とは見違えるような立派な森になっている事と思いますが、こうして皆さんに植樹していただいたことで、その再生の速度が少し速まって、多くの野鳥たちが棲む森になることでしょう!!!
最後になりましたが、ご参加いただきました皆様、お疲れ様でした。またお目にかかるのを楽しみにしています。(公財)日本野鳥の会秋田県支部事務局様、お世話になりました。