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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

みちのく潮風トレイルPR隊のゴールと開通に向けた取り組み

2014年09月22日
宮古
 みちのく潮風トレイルのPR隊として、東北の太平洋沿岸部を歩いていた2チームの大学生が、9月11日に岩手県大船渡市にある恋し浜駅にゴールしました。



 当日は地元の方々はじめ、大学の友人の方々も駆けつけてくださりました。また、三陸鉄道のワゴンカーが来てホタテを焼いてくださるなど、恋し浜駅は歓迎ムードに包まれました。
 PR隊として歩くにあたり、様々なアドバイスを受けた宮古自然保護官事務所の櫻庭自然保護官にゴールの報告をしました。櫻庭自然保護官からは「みなさんにとっても我々にとっても財産となったので、今後お互いこの経験や成果を生かしていきましょう。」と大学生へのメッセージがありました。
 この日は東日本大震災の月命日でもありました。地震が発生した午後2時46分にはメンバー全員海に向かって黙祷。その後メンバーそれぞれがホタテの貝殻に、歩いてみて感じたこと・振り返りを書き、一人ひとり発表しました。



 その中で私の印象に残った言葉は、「三陸がたくさんの人にとってのふるさとになりますように」でした。北上チーム、南下チームそれぞれ歩いた道によって地域の風景・風土・文化・歴史などが違います。また、震災当時のこと・地域に伝わる伝統や食文化など、地域の方とお話することにより、今まで見ていた風景にさらに色が加わり、背景が見えてきます。
 各地域共通して人の温かさがあり、それを肌で感じることができるのが、このみちのく潮風トレイルです。
Facebookには、それぞれ350kmを歩き切ったPR隊の振り返りがアップされています。
https://www.facebook.com/bokurano.shiokazetrail

 みちのく潮風トレイルでは、新たな区間の開通に向けた取り組みも進んでいます。岩手県宮古市にある田老地区では、今年5月から月に1度集まって、地元の有志の方々とともにルートとなる区間の草刈や道づくりの作業をしています。



 参加者の半数はルートを決めるときから参加してくださっている方ですが、道づくり作業に興味を持って初めて参加してくださる方もいらっしゃいました。前回は山を越え、浜辺に抜けるルートの道作りを2回に分けて行いました。草が背丈ほどに生え、どこを歩いたらよいのか分からなかった斜面に道ができ歩きやすくなりました。また、作業が終わった後は、トレイルコースの目印となる標柱も立てました。

 みちのく潮風トレイルPR隊の宣伝もあり、次なるトレイル区間の開通を望む期待の声が大きくなってきています。今後も開通に向けた取り組みを進めていきます。