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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

猪苗代湖、ヒシ刈り作業に参加しました。

2014年07月31日
裏磐梯
みなさんこんにちは。
裏磐梯の渡部です。

梅雨も明け、ここ裏磐梯も夏らしい暑い日が続いています。
さて、今回の日記では猪苗代湖の北岸で行われたヒシ刈り作業の様子をお伝えします。

みなさんはヒシという植物をご存じでしょうか。
ヒシは一年生の浮葉植物で、湖底から茎を伸ばして水面に葉を広げています。ヒシの実は皆さんご存知の忍者が使う「まきびし」のヒシです。実がついて時間が経つと黒く堅い実が湖岸に打ちあがります。鋭いトゲは堅く、とっても痛いです。今の時期はまだ実はついておらず、葉がぷかぷかと浮いている状態でした。花をつけているのがちらほらとみられました。


左:ヒシとアサザが混ざって生育している様子(丸い葉:アサザ・ギザギザの葉:ヒシ)
右:時間が経って黒く堅くなったヒシの実

ヒシは全国でも普通に見られる植物ですが、猪苗代湖の浅瀬では近年、ヒシが急激に生息地を広げ、昔から生育していたコウホネや希少種のアサザの生息地を奪っています。そのため、毎年猪苗代湖の浅瀬に生育するヒシを刈取る作業を行っています。



左:湖ではヒシ刈り作業
右:陸では運搬作業です

胴長を着て、いざ作業場へ向かってみると、ヒシがびっしりと一面に広がっていました!!
ヒシを引き抜き、黄色の採集コンテナに詰め、舟で運び出します。
ヒシを刈り取っては運び、刈り取っては運びの大変な作業です。
そして、陸でも刈り取ったヒシを軽トラックに積み込み、畑と作業場所を行ったり来たりと大忙しです。



作業前:左 作業後:右

2時間後にはヒシをきれいに取り除き、湖面が見えるようになりました。
刈取ったヒシは畑の肥料として利用されます。
今回の作業は約20名で採集コンテナ176個分のヒシを回収しました。

今回行った場所はヒシが繁茂する一部にすぎません。まだまだ岸に沿ってびっしりと生育しています。
この作業は毎週行われる予定なので、また参加してたくさんのヒシを回収したいと思います。

縮小してしまったコウホネやアサザの生息地が広がるよう、一生懸命作業を行いたいと思います。