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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

月山を外来植物から守ろうpart1開催

2014年07月07日
羽黒
 月山の外来植物を除去するイベント「月山を外来植物から守ろうpart1」を6月22日(日)に開催しました。

 月山では、登山道沿いや人の多く滞留する場所などで、外来植物の繁茂が確認されています。外国由来の植物であるセイヨウタンポポやシロツメクサ、本来標高の低い土地に生育する植物であるオオバコやスズメノカタビラいった植物を、もともと月山に分布していなかったと思われる植物を外来植物として捉えています。
 外来植物の侵入により、月山の貴重な高山植物の生育地を奪ってしまう恐れがあり、生態的な影響や景観を損なうといった、本来の植生に悪影響を与える可能性があります。その対策のため、昨年より除去作業イベントをはじめました。

 今回はセイヨウタンポポの分布拡大を防ぐため、種子を飛ばす前の6月に、繁茂が確認されている山頂近くの鍛冶小屋跡地にて除去作業を実施しました。


私は作業前に外来植物や作業についてのレクチャーを担当しました。

外来植物除去作業中の様子
 霧に包まれての作業となりましたが、皆さん黙々と作業に集中(熱中?)していました。


根の長さ計測の様子
 タンポポ類は残った根から芽が再生することが知られています。そのため、作業ではなるべく根を残さないように除去する必要があり“根気強さ”が求められます。ということで、その名も「根比べ」と題して、誰が一番長い根を取ることができるかといった遊びも取り入れながら、作業に取り組みました。


外来植物除去作業後の様子

 参加者の皆さんのご協力のお陰で、鍛冶小屋跡地の予定していた除去作業を行うことができました。作業地へは月山8合目(羽黒口)から山頂を越えて向かいましたが、西川町の姥沢口からも月山朝日ガイド協会や西川町職員の方々も作業に駆けつけていただき、感謝の気持ちでいっぱいでした。

 行程中は羽黒地区パークボランティアの皆さんから、色とりどりの高山植物を紹介いただきました。イベントのふりかえりでの「沢山の高山植物を楽しむこともできました!」といった参加者の皆さん声に、外来植物を除去することによって本来の植生を守っていく意味をさらに認識いただけたのではないかと思います。

 共催の月山ビジターセンター運営協議会、山形県自然公園整備促進協議会羽黒支部、協力の休暇村羽黒、後援の鶴岡市、西川町、庄内町、関係者の皆様のお力添えで開催することができました。ありがとうございました。

 次回はPart1に続いて、6月26日~27日に開催しましたPart2の様子をお伝えします。

※今回の植物除去は、自然公園法および土地所有者の許可を得て行っています。国立公園 特別保護地区内で、許可なく植物を採取することは禁止されています。