東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

男鹿市戸賀海岸にて『海岸漂着ごみ調査』実施しました 

2014年06月19日
秋田
 夏至が近づいてきて日の長さを感じている今日この頃、梅雨の中休みで野外活動がしやすい日が続いている秋田県内です。
 そんな中ですが本日、秋田海上保安本部が主体となって男鹿市戸賀海水浴場で実施した『海岸漂着ごみ調査』に参加してきました。



 この調査に協力してくれたのは男鹿市立北陽小学校の4年生から6年生までの26名の児童達と各クラスの担任の先生ら6名。それに秋田海上保安本部の職員10名と秋田自然保護官事務所の2名が一緒になって、砂浜が広がる海水浴場に漂着したごみを拾って、種類や重さなどを調べました。


 普通のクリーンアップでは各自がゴミ袋を持ってひたすらごみを拾い集めて、とにかくその場所をキレイにする事を目指しますのが通常ですが、今回は調査も兼ねてますので少人数の班に燃えるごみと燃えないごみの袋が1枚ずつと、ごみの種類などを書き込むチェックシートが配布されます。
 児童達は海岸に漂着しているごみを手に取って、もとはどんな物だったか?何で出来ているか?などを考えながらチェックシートに書き込んでいきます。分からないときは先生や海上保安本部の職員らに聞きながら書き込んでいました。

 
 私もごみ袋を持ってお手伝いしながらごみを拾っていきましたが、実に色々なものがありました。目立ったのは漁具のほか、容器や包装袋などの日常生活の中ででたであろうごみでした。そして中には日本語ではない言語が記載されたごみもありました。
 そうして集めたごみは各班1袋では足りず・・・また、袋に入りきらない大きさの物も多くありました。そして集めたゴミはすべて、重量測定をします。その結果、今年集めたゴミはおよそ60㎏。ちなみに昨年が約30キログラムだったそうですからざっと2倍の重さでした。
 
 集めたゴミを前に今日の活動を振り返る時間では、児童の代表からは『これからも自分たちの住む地域をキレイにしていきたい』という思いが語られ、海上保安本部の担当からは『海は世界の国々と繋がっているから日本で捨てたゴミが他の国を汚すことになるかも知れない。先ずはごみをポイッと捨てないこと。』と海で活動する方らしい話があり、当事務所の瀬川保護官からは『ごみは野生動物たちに思わぬ被害を与えてしまうこともある。ゴミを拾うことは野生動物たちを守ることにも繋がる』とこれまた鳥獣保護区をあずかる保護官らしい話をさせていただきました。


 では、この活動が行われた戸賀海水浴場はどうなったでしょうか?上の写真が活動前(before)のもの。下の写真が活動後(after)に撮った同じ場所の写真です。



 活動前は大きな容器などが散乱していましたが、わずか30分の活動時間でこんなにキレイになりました。


 そして自分たちがキレイにした海岸で記念撮影。海上保安本部の方に促されて全員で敬礼していました。満足感も相まってか、凛とした児童達の表情が印象的でした。

 参加してくれた児童達は今日の活動をどう感じていたんでしょうか?今日の活動は彼らにどんなインパクトを与えたのでしょうか?

 願わくば・・・今日の活動から、自分が住む地域のキレイな景色を守り続ける為、そして海で繋がっている世界の国々で暮らす人々へ思いを巡らせ、同じ地球に暮らす動物たちへも思いを馳せて、日常生活の中でごみを一つでも減らすように気を付けてくれたら嬉しいな~と思っています。