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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

パークボランティアスキルアップ研修

2014年03月10日
十和田
晴れた日が続き、このまま春になると思われましたが、雪がどさっと積もり、冬に舞い戻ってしまった十和田湖。少しずつ春に近づいているものの、まだまだ遠い道のりのようです。
年に数回行われる環境省主催の観察会もこの時期は天候によく左右され、中止になることもしばしば...
今年の冬の観察会は3月15日(土)に蔦野鳥の森で行う予定ですが、どんな天気になるでしょうか。

さて、今回はパークボランティアのスキルアップ研修として蔦野鳥の森をスノーシューを履いて巡ってきました。講師はネイチャーエクスペリエンス グリーンハウスで蔦や奥入瀬、十和田湖をメインにネイチャーガイドをしている太田氏に依頼し、パークボランティア9名とともに蔦の新たな楽しみ方を学びました。天気はたまに雪や強い風が吹くような状況でしたが、皆さんやる気満々で準備されていました。







左上:開会の様子  右上:散策入り口の雪壁
左下:散策の様子  右下:ルーペで幹を観察中

冬は他の季節と違って雪の上を歩くのでいつもは行けないようなところまで行くことができます。今回は雪壁になっているところから入ったり、沼に積もった雪の上を歩いたりと新鮮な体験をしました。
ただ歩くだけではなく、ルーペを使ってブナの幹に付着している様々なコケを観察したり、ルート上でキノコやトチノキの芽、サワグルミの葉痕、クマの爪痕などいろいろなものに出会ったりなど多くのものをみて、その都度講師の方に説明していただきました。
例えば、サルノコシカケ一つでも、「木を腐らせる」という見方ではなく、「木を軟らかくする」という表現から、軟らかいところに虫が住みつき、キツツキがやってくることや、次の生物のための養分となり、次世代につなぐ役割があることなど話題が広がりました。
また、つる性植物がどうやって別の木に移動するのかという疑問について参加者全員で考えてみるなど、たった2時間の散策でしたが、楽しく充実した時間でした。


左上:ブナの幹についたモジゴケ  右上:キツツキがあけた穴
左下:サワグルミの葉痕       右下:クマの爪痕

講師の方、パークボランティアの方々のおかげで良い研修になったと思います。ありがとうございました。そして、3月15日(土)に行う予定の観察会はよい天気の中でまたいろいろな動植物に巡り会えることを楽しみにしています。