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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

野鳥観察会『北帰行のガン・ハクチョウの観察』を実施しました

2014年02月20日
秋田
 「雨水」を過ぎたものの空から降ってくるのは雪、雪、雪。まだまだ春は遠いかな?と感じる秋田市内です。


 先日の日記に続いて16日(日)に実施した野鳥観察会『北帰行中のガン・ハクチョウの観察』についてご報告します。こちらは毎年2月第3週に実施している恒例となった野鳥観察会です。

 この時期大潟村やその周辺では様々な主体が野鳥観察会を実施していますが、当事務所では昨年度より秋田県環境と文化のむらと共催で観察会を実施してます。講師には(公財)日本野鳥の会秋田県支部のベテラン講師の船橋氏と浜谷氏、当鳥獣保護区管理員の加賀谷氏にお願いしました。

 厳しい冬の盛りを過ぎたとはいえまだまだ天候が安定しない日が続くこの時期は、野鳥たちの生息場所も安定せず、その日の天候や積雪の状況、人間の活動などによって居場所が刻々と変わります。それでも頼りになるベテランの講師陣はお目当ての野鳥たちの生息場所を突き止め、適切な巡回コースを設定してくれます。
 この日は、秋田県環境と文化のむらが用意したマイクロバスに乗って野鳥たちの居場所を巡回していきました。所により三脚に添えたスコープが倒れるほどの強風でしたが、バスを風よけにして快適な野鳥観察となりました。


 バスが回る先々で野鳥を観察します。警戒心の強い野鳥を観察するためには十分な距離が必要となるため、双眼鏡とフィールドスコープを併用しての観察です。


 こちらが実際の観察場所の様子です。ズームレンズの50ミリあたりで撮影してます。遠くにぽつぽつと見えている塊がオオワシとオジロワシ、帯状に広がっている黒い塊がガンの群れです。この写真ではちょっと分かりにくいですよね・・・。


 ということで、どんな野鳥を観察したのか、別の日に撮影した野鳥の姿を掲載しました。
 右上:シジュウカラガンの群れ
 左上:ヒシクイの小群
 右下:ハクガンの小群
 左下:オジロワシ です。参加してくださった方々から聞かれたのは『こっち見た』とか『かっこいいな』『キレイだね~』などかなりシンプルな感想が多かったように感じます。きっとこれが生で見る素直な感想なんだと思います。厳しい自然界で生きている彼らの姿を見て、気の利いた言葉を並べてるのは不自然なのかも知れません。私などは語彙力が無いので言葉すら出てこなくなりますが・・・。


 そんな感激続きの観察会はあっという間に時間が過ぎていきました。長時間屋外で過ごしたため流石に体が冷えてきましたが、大潟村にある『生態系公園』にご協力頂き、最後の「鳥あわせ」は暖かい温室の中で行いました。
 その結果この日は、キジ、オオハクチョウ、シジュウカラガン、マガン、ヒシクイ、ハクガン、カルガモ、カワアイサ、ミコアイサ、カンムリカイツブリ、カワウ、ダイサギ、アオサギ、カモメ、オオワシ、オジロワシ、トビ、ノスリ、ハシボソガラス、ミヤマガラス、スズメ、ムクドリ、ハクセキレイ、ツグミの24種を観察しました。水辺が結氷してカモ類が少なく、風が強いため小鳥の姿がほとんど無かった中、午前中の数時間でこれだけの観察が出来、かつ他ではちょっと見られないような野鳥の姿も観察できる大潟村のポテンシャルの高さは改めて感心します。


 最後になりますが、ご参加頂きました皆様ありがとうございました。また一緒に鳥を見ましょう。講師を務めてくださいました船橋さん、浜谷さん、加賀谷さん本当にありがとうございました。集合場所の駐車場と鳥あわせの会場を提供くださいました生態系公園のスタッフの皆様ありがとうございました。除雪の行き届いた駐車場で本当に助かりました。秋田県環境と文化のむらスタッフの皆さん、これからもよろしくお願い致します。