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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

エコツーリズムワークショップ in 山田 第2回目

2013年12月13日
宮古
みなさん、こんにちは。三陸では今、アワビ漁が行われていて、朝早くから漁師達が海に出かけます。店先には、活アワビ、そして年末にむけて作られた新巻鮭が並んでいて、それらは冬の風物詩となっています。冬の厳しい荒波の中で育ったアワビ、そして海風を浴びた新巻鮭は、ギュッとおいしさが詰まっています。三陸は冬も魅力満点です。

前回の日記の続きを紹介します。
現在、山田町の方々とともに山田町らしい資源を活用した観光プログラムづくりに取り組んでいます。
第1回目のワークショップでは「山田町にはどんな魅力」があるかを話合いました。
普段生活している中では、なかなか気づかないような多くの「素敵ポイント」が出されました。日をおいて開催した第2回目のワークショップでは、「素敵ポイント」をどう活用するのか、観光プログラムづくりの方向性を考えるワークを行いました。


この日は、ゲストが登場しました。
今まで何度か日記でも紹介させていただいている後藤俊介さんです。後藤さんは、地域の方々とふれあいながら、みちのく潮風トレイルを踏破した方です。昨年の年末年始に山田町を歩いた後藤さん、約1年ぶりに再び山田へ来てくれました。後藤さんが山田町で感じた魅力は、
気さくに話しかけてくれた「ヒト」だったそうです。
「山田らしさを求めるのではなく、訪れた人にとっては、もうすでに山田らしいのだから、自慢できる所をアピールするだけでいい」と、おっしゃっていました。

後藤さんの登場で場の空気が和んだところでワークショップ開始です。

☆まちなか班☆
第1回目のワークショップでも出されたキーワード「歴史」をテーマにワークを行いました。参加者には山田町の歴史に詳しい方がいらして、昔使われていた道や、その道にまつわるお話などを聞かせていただきました。現在その道は、少し手をいれないと歩くのは難しいということですが、すぐに取りかかれそうな素材です。山田湾や街場に近い場所で古道を活用したプログラムが出来ないか?と話すと色々なお話やアイディアが出てきました。
山田町では、かつて捕鯨が行われていたそうです。50代、60代の方々に聞くと、その時の匂いを思い出すそうです。現在でも鯨を捌いていた場所の跡が残っていて、見る事が出来ます。隣の町との境にある鯨山、そして町の交流の場であるクジラ館、山田が「鯨の町」と呼ばれるほど、鯨は山田に住む人たちと深く関わっています。生活文化とつなげ、山田町を紹介することが出来そうだというところで、まちなか班のこの日のワークショップを終わりました。



☆海・山班☆
 海山班では、山田の自然を愛する人達で、盛り上がり、数年越しの目標まで出てきました。穏やかな山田湾を利用したシーカヤックとトレッキングを融合させた大型体験プログラムを目指しているようです。みんなが集まると、いろんなアイディアが出てきて、今活用出来そうな素材を掘り起こす、まちなか班のワークと対照的でとてもとても大きなスケールで夢のあるプログラムの構想が発表されていました。
今年度の目標を最後にみんなで確認をした所で終了です。




 
地図に見所を落とし込んだものをつかいながら、まちなか班でのワークショップの結果を海・山班に発表しています。

少しずつ、プログラムづくりに方向性が見えて来ました。

第3回目は、12月21日~23日の3日間です。絵地図師の高橋美枝さんを講師に招き、町を歩きながら「宝を発見する視点」とそれを「伝える方法」について勉強会を行います。