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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

自然観察会『赤水渓谷で爽快沢歩き』を実施しました

2013年09月11日
秋田
 朝晩めっきり涼しく感じられるようになった今日この頃。森吉山鳥獣保護区内のノロ川地区で渓谷はベストシーズンを迎えています。そんな中、9月8日(日)に赤水渓谷で森吉山野生鳥獣センター運営協議会が主催する自然観察会『赤水渓谷で爽快沢歩き』を実施しましたのでご報告します。



 なぜ、今が渓谷歩きのベストシーズンかと言うと・・・
①アブなどの煩わしく体にまとわりつく虫が減ってきたこと。これが一番大きな要因です。他に②夏の終わりの雨で渓谷に点在していた倒木の多くが洗い流されたこと。③まだまだ日中は蒸し暑いので、活動中は水に濡れても寒くならずに済む。④秋の美しい空色が渓谷岩場の暗色&峰の緑とのコントラストが最高。などの理由があります。


 今回の観察会は渓谷でのアクティビティをテーマとしましたので、森の中は足早に抜けていきました。観察対象に溢れている森ですが、ヤブ蚊にまとわりつかれてはたまらないのでノンストップで歩きました。


 そしてたどり着いた渓谷は別天地でした。この日は水量も多く、小滝や淵を流れる水は普段よりも迫力を増していました。


 赤水渓谷についてからが観察会の本番。先ずは安全に歩く方法やコツについてこの森の隅まで知り尽くしている講師陣からレクチャーしてもらいました。また、ちょっとでも危険や不安を感じそうな場所は補助ロープで確保しながら慎重に進んでいきました。


 講師を務めてくれたのは、森吉山鳥獣保護区管理員の福士さんと森吉山県立自然公園管理員の佐藤さん、その前任の森川さん。いずれも日頃からこのエリアを歩き回って、つぶさに状況を見ている管理員さん達。さらにプロガイドをして活動していたり山岳界の重鎮としてバリバリ山歩き、沢歩きをこなすベテランでこの森を自由自在に歩き回る事が出来る方ばかりです。

 そんな講師陣に先導していただき、脇を固めていただきながら急流や段差を避けて、僅かな足がかりを頼りに歩く渓谷歩きは参加された方から『楽しい♪』と満面の笑みが溢れるほど爽快なものでした。


 爽快と感じるのは安心感と高揚感だけではなく、渓谷を彩る木々、花々からも感じる事が出来ました。かくいう私もかなり楽しい時間を過ごす事が出来ました。


 今回の目的地、赤水渓谷のウサギ滝です。滝壺付近にいる人と比較していただくとその大きさがお分かりいただけると思います。そしてなぜこの滝がウサギ滝というのかお分かりになりますでしょうか?


 今回の観察会の参加者及びスタッフはいずれも大人の方々ばかりでしたが、その口々から『楽しい^^』『気持ちいい♪』などと素直でシンプルな感想が聞かれました。大人がこうも無邪気な笑顔を見せる事もあるんですね。それだけ森吉山鳥獣保護区のノロ川地区、特に赤水渓谷には魅力がびっしり詰まっているって事かもしれません。秋田の自然保護官は滝の前で満面の笑みで記念撮影をしました。自分たちが担当する現場にこの様な場所があって幸せです^^


 と言う事で、今回の観察会は全て想定の範囲内で無事に終えることが出来ました。これも強力な講師陣と信頼できる秋田県の自然保護課と森林整備課のスタッフ陣が居てくれたお陰です。ありがとうございます。そして参加していただいた皆さんも存分に楽しんでいただけた様子で、我々も元気になりました。ありがとうございます。