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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

十和田八幡平国立公園パークボランティア合同研修会

2013年09月05日
十和田
こんにちは。近頃秋晴れとはほど遠く、雨続きでぱっとしない十和田から先日おこなわれた研修会についてお伝えします。
8月31日~9月1日に十和田八幡平国立公園パークボランティア合同研修会がおこなわれました。今年の合同研修会は南八幡平のパークボランティアの方々に主催者として準備をしていただき、南八幡平地区、八幡平地区、岩手山地区、三陸復興国立公園、十和田八甲田地区から約60名のパークボランティアの方々が参加されました。

講演では日本貝類学会会員の川口洋治氏を講師に迎え、カタツムリについてお話をしていただきました。カタツムリはよく見かける動物ですが、講義を聴いて初めて知ったことがたくさんありました。冬眠時に張る薄い膜にはところどころ呼吸ができるような穴があいていたり、幼貝と成貝の違いは貝の口の部分が反っているか否かで見分けることができたり、カタツムリは貝殻の色や模様では種類を見分けることができない、など興味深いお話を聞けて充実した講演会になりました。


左:成貝  右:幼貝
口の部分が反り返っている

各地区の活動報告では、登山道の整備をメインに植生復元、ロープ補修、ビジターセンターの行事支援など様々な活動についての報告がされました。雪で荒れた山を整備するのは非常に骨の折れることですが、パークボランティアの方々が一生懸命に作業されて登りやすくしてくださっていることに改めて感謝したいです。

次に、実務研修として「体の不自由な方へのガイド方法」を学びました。車いすに乗られている方には同じ目線に立って話すこと、坂道では低い方に車いすを押す人がいること、耳の悪い方には相手の目を見ながら手振り身振りで伝えること、読唇術という口の動きで内容を理解する人もいることを知りました。
また、目の不自由な方へのガイド方法として、2人1組になり、実際に野外で目を閉じた人をもう1人が誘導してみました。目を閉じていると、ちょっとした空気の動き、地面の凹凸が異様に大きく感じられました。誘導する方もちょっとした段差や方向修正をこまめに伝えなければ、相手が恐怖を感じてしまうなどガイドの難しさを体験しました。


実務研修で道路上を誘導している様子

日が変わって、9月1日は秋田駒ヶ岳を八合目から登る予定でしたが、天候に恵まれず、山頂へ登ることはできませんでした。
八合目付近を散策してみると、ノリウツギやウメバチソウの花が霧の中でもきれいに咲いていました。パークボランティアの方からそれらにまつわるお話を聞き、勉強させていただきました。


左上:濃霧で見えにくい秋田駒ヶ岳の八合目  右上:ウメバチソウ
左下:ノリウツギ              右下:エゾシオガマ

南八幡平地区パークボランティア「ホシガラスの会」の皆様、準備等お疲れ様でした。とても充実した研修会になりました。
次回は十和田八甲田地区が主催となります。また充実した研修会になるようがんばりましょう!