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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

朝日連峰保全協議会 合同保全作業

2013年09月04日
羽黒
 今年度の朝日連峰保全協議会 合同保全作業を8月31日(土)~9月1日(日)の二日間、朝日連峰 古寺鉱泉ルートにある三沢清水下部で実施しました。

 羽黒自然保護官事務所は、同協議会が設立された平成19年より事務局を担っています。
これまでの活動等は下記のページの資料をご覧ください。
http://www.env.go.jp/park/bandai/data/index.html

 山形県では7月17日からの豪雨により各地で斜面が崩れたり断水したりするなどの被害に見舞われました。
 今年度は豪雨後の7月下旬に合同保全作業事前調査を実施し、三沢清水下部に豪雨によると思われる深い浸食を確認しました。浸食箇所によっては人の背丈程もありました。そのため、通行に支障をきたす状況であり、緊急性の高い当該箇所において合同保全作業を実施することになりました。


7月調査時の浸食部の一例
 中央の溝が登山道です。深い浸食と大きな段差→歩きにくい→道の脇を歩く→さらに土砂が削られる→登山道が拡幅といった悪循環が生じることが予想されます。

 今回の作業には、朝日連峰周辺の山岳会や関係機関などの14団体から34名が参加し、作業にあたりました。


作業中の様子

 作業内容は、主に現地の枯損木やササ、参加者の皆さんで荷上げした緑化資材(ヤシ製土のう袋等)を用いて、浸食部に連続して土留工を施工しました。
 土留めを設置することによって、降雨時に登山道に集まって流れる水の流速を落とすとともに、土砂を少しずつ堆積させ、今以上に浸食が進行しないようにします。また、部分的に登山道外に配水する配水工や、土のうを積んだりして歩行路の段差を改善する作業等も行いました。


作業箇所の様子(今はまだ目立ちますが、だんだんと周囲に馴染んでいくはずです)
 作業の二日間は台風の影響がとても心配されましたが、作業中はほとんど雨に当たることなく、朝日連峰を愛する人たちが手を取り合い、力を合わせ、今年度も合同保全活動を行うことができました。
 作業にご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
 
 今後、巡視等を通して、土砂の堆積や登山利用者の歩行状況など、作業地の様子をお伝えしていきたいと思います。