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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

雁の北帰行中継地 大潟村での野鳥観察会

2013年02月18日
秋田
 立春を過ぎてからというもの、冬らしい天気の日と暖かな日射しに春を感じられる日が交互にやってくる『三寒四温』を実感する日が続いてます。週末の野鳥観察会の下見に行った金曜日は青空も見られ積もった雪も緩み始めた『温』の日でしたが、翌日はまとまった積雪があり、吹き付ける風に凍えそうになる『寒』が戻ってきました。週明けの今日は二十四節気の『雨水』ですが、秋田市内は雪が降っています。


 2月17日(日)大潟村で『雁の北帰行中継地 大潟村での野鳥観察会』を実施しました。

 日曜日の秋田沿岸地方は『雪で所により吹雪。午後からは回復の見込み』といった具合の天気予報でした。集合時間前の直前下見の時は猛吹雪。声が聞こえる距離にいるガン達の姿を見ることさえ出来ないような状態・・・。これで観察会は出来るのか?参加される方々は無事に集まってくれるのか?不安を禁じ得ない観察会当日の朝でした。

 今回の野鳥観察会は初めて『秋田県環境と文化のむら』との共催で行いました。秋田県環境と文化のむらは、施設内に秋田県鳥獣保護センターがある上、拠点となる『ふれあいセンター』で東北アクティブレンジャー写真展を開催させていただくなど、日頃から様々な連携をしている機関です。

 直前のスタッフミーティング。講師を務めていただいた(財)日本野鳥の会秋田県支部の方々からは・・・
『今日はまさに探鳥会だね。鳥を探し回る観察会だよ。』
『吹雪で下見も不十分だから手堅い場所を回ろう。』
という声。
 それでも大潟村での豊富な観察経験を持ち、頻繁に大潟村に通っている3人の講師に対する絶大な信頼から『それはそれでイイ観察会になるだろう』との見込みを持っていました。
 
 用意していただいたマイクロバスの乗車定員は参加者+講師スタッフでピッタリ!!発車したバスは満員御礼で一つの不安要素は杞憂に終わり、観察会のスタートです。


 最初のポイントは直前下見でガンやハクチョウがいる事を確認していた場所ですが、残念ながら既に移動した後で、数羽が残っているだけ・・・。何となく幸先の悪い感じでしたが、これは想定の範囲内。直ぐに切り替えて移動します。その後は鳥の羽数自体は少ないながらも、ことごとく狙った鳥の観察ができました。更には『運が良ければ・・』という鳥が私達の上を通過するという幸運にも巡り会えました。


 ヒシクイの小群を観察中です。事前にバスの中でガンの識別について勉強してましたので皆さん直ぐに『あれはヒシクイ』と分かっていたようです。
 

 大型猛禽類を観察中です。幸運はこの後訪れました^^v ある方は『今日はこれが見たかったんだよ。上を通過したのを見れるなんてラッキーだよ!!』と満面の笑みで話しかけてくれました。こういう声が聞きたくて観察会をやっているようなものですから、私も嬉しかったです。


 ミヤマガラスの大群を観察中です。カラスと一口で言ってもこの時期、大潟村では4種類のカラスが見られます。この日は3種類が観察できました。


 写真でも青空が見えていますが、吹雪に見舞われることもなく、予報より早めに天気が回復してもう一つの心配も杞憂に終わりました。
 この日観察した野鳥は28種類。全員が28種類全てを見ることは出来ませんでしたが、朝方は猛吹雪で、一面真っ白で本格的な冬に逆戻りしたかのような雪原が広がる中にあっては上々の成果です。



 最後はこの日、集合場所とした大潟村内の『生態系公園』の温室に集合して「鳥あわせ」をし、この後の行事予定などをお伝えして、全日程を終了。皆様お疲れ様でした。またお会いする日を楽しみにしてます。