東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

冬の使者ガン・ハクチョウの飛来地大潟村での野鳥観察会

2012年12月17日
秋田
 昨日12月16日(日)、大潟草原鳥獣保護区管理棟を起点にした野鳥観察会を実施しましたのでご報告いたします。

 この野鳥観察会は東北地方環境事務所と大潟村干拓博物館とで協同で企画から参加者募集までを行い、実施にあたっては大潟村教育委員会と(財)日本野鳥の会秋田県支部にご協力を頂きました。


 野鳥を観察するなら朝早い方が良い!!と思い、これまで実施してきた野鳥観察会よりも早い午前8時30分にスタート。
 それに先だって講師を務めてくれた(財)日本野鳥の会秋田県支部の方々は夜明けと同時に直前の下見を行ってくれます。ガンやハクチョウ達の塒はおよそ決まっていても、日中過ごす採餌場所はその日によって変わります。しかもこの時期はガンやハクチョウ達の渡りもまだ終わってはおらず、いつどこにどんな鳥がいるのか?なかなか予想が立ちません。それでもベテラン講師陣はお目当てのガンを探し当てて、それを基に観察会のコースを設定します。
 いつもの事ながらこの経験に裏付けされた観察力、洞察力、予想力には脱帽です。そしてこうした環境で野鳥観察会ができる幸せを感じます。

 今回の野鳥観察会は大潟村教育委員会が所有する『かけはし』号に乗って村内各地を巡りました。広い広い大潟村の中で特に警戒心の強いガンやカモを観察する際にはバスは最高の観察場所です。


 この写真では、バスを降りて観察する様子が分かると思いますが、大きな車体は風よけとして最高です。観察中、風が吹いてくるとそれに煽られて望遠鏡などが揺れて観察に大きな支障を来すのですが、バスに風を避けてもらえたらなんの問題もありません。もちろん雨が降っても大丈夫です。
 更にバスのもう一つの利点は高い眼線にあります。平坦な干拓地内で遠くに居るガンやハクチョウを観察する時、より遠くを見渡せるバスは大きな威力を発揮します。また群れで過ごす彼らを観察する時、同じグランドレベルでは分かりにくい群れの広がりが観察できるのも大きな利点です。


 この日は小雨がパラつき、時々強まったりとあいにくの天気でしたが、そんな中でもお馴染みの小鳥から、カモやガン、ハクチョウの群れ、大潟村ではお馴染みの猛禽類などなど約3時間半の間に20種類の野鳥が観察できました。


 その中でも一番の目玉はこれ!!その場ではカウントできなかったので写真を撮っておいて事務所に帰着してから羽数を確認してみたところ、なんと62羽。私自身は60羽を越えるハクガンを一度に見たのは初めて。観察しながら興奮しきりでした^^。ちなみに(財)日本野鳥の会秋田県支部の講師に聞いたところ『秋田県では過去最多羽数』との事でした。

 
 この観察会にご参加いただいた皆様、お疲れ様でした。ご満足していただけましたか?当事務所ではこの後も野鳥観察会を予定しております。そして次回も大潟草原鳥獣保護区やその周辺の豊かな自然環境に暮らす野鳥たちの姿をたっぷりを観察できるような内容にしたいと思っておりますので、今回参加できなかった皆様のご参加もお待ちいたしております。