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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

H24朝日連峰保全協議会 合同保全作業事前調査(三方境)

2012年07月24日
羽黒
 7月20日(金)~7月22日(日)に平成24年度朝日連峰保全協議会、合同保全作業地の事前調査を関係者で三方境で行いました。

 三方境は風衝地と称される、日本海から直接吹き付ける季節風で冬期間は雪がほとんど積もらないほど風が強い場所です。
現地は花崗岩の非常にもろい地質ということもあり、平成20年度より行ってきた関係者合同による保全作業は試行錯誤の連続でした。

 これまで深く掘れて荒々しかった侵食地ですが、施工4年目にしてようやく努力が実って登山道の侵食がゆるみ、植物が徐々に芽を出しつつあるのが確認できました。


 関係者による調査風景です


  厳しい環境から融けてしまった緑化ネットからもしっかり芽吹きが確認できました。


 もろい土壌から土砂が流れを止めることに試行錯誤していましたが、ヤシ繊維を詰めた土留がしっかり効いていました。


 ダブルストック利用の登山者増加に伴い、ストックによる登山道への影響が感じられるようになってきました。
夏の朝日連峰の稜線上は比較的危険箇所が少ないため、ストックを使用される場合はゴムキャップを装着いただたき、特に以東岳~三方境にかけてのもろい花崗岩土壌の場所では使用を控えていただければと思います。

 今回の事前調査の結果を踏まえて、合同保全作業を10月29日(土)~30日(日)に予定しています。
第4会合の報告、ニュースレター第7号と飯豊連峰保全連絡会ニュースレター第16号を下記の磐梯朝日国立公園のホームページにアップしましたので、ご覧下さい。

http://www.env.go.jp/park/bandai/


 調査中は天候に恵まれ、朝日連峰の稜線は素晴らしい展望でした。
写真は以東岳です。


 ニッコウキスゲの群落が見事でした。
 
 20日の夜は、山形新聞社が企画している朝日連峰縦走ルポの登山隊と狐穴小屋で一緒になり、保全作業について取材を受けました。記事について下記から閲覧できるので、ご覧下さい。

http://yamagata-np.jp/news/201207/21/kj_2012072100561.php