アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
白い花のあとには
2012年06月22日
十和田
5月終わりから咲き誇る小さな白い花シリーズ。その終盤に咲き始めるのは、日本で一番大きな白い花のホオノキです。
大きいためすぐに見つけられそうなものですが、高い位置にしかも上向きに咲くため、中々下から見上げるだけでは見つけにくく、花の匂いや上からの落とし物(花びら、おしべ)で咲いているんだなぁと気づくことが多いです。
ホオノキの花を見るには、木が高すぎなかったり、視界を遮るものが無かったり、あるいは木よりも高い位置から見下ろせる場所であったりと、様々な条件が必要です。
そんな条件を満たしつつ、かつ手軽に毎日見られる、そんなホオノキの花観察の最高の立地、それが十和田自然保護官事務所です。木を見下ろせることはないのですが、事務所の窓から双眼鏡でいつでもチェック可能です。
今年は開花が早く、4日から咲き始め、先週をピークにそろそろ終わりを迎えそうです。一番手近に咲いていたホオノキの花。ちょっと失礼して中を拝見。
大きな花びらの中に先が赤い、マッチ棒のようなものがたくさんこぼれていますが、これがホオノキのおしべです。真ん中にでんとあるのがめしべ。ホオノキは開花してから1日ごとに雌花→雄花→開花終了と雌雄が変わる樹木なのですが、開花初日のめしべが開いている状態は中々目にする機会がありません。
毎年ホオノキの開花には気をつけているのですが、いい場所に咲いているものでも、気付けば開花2日目のおしべが開いている状態になっているものばかり。ちなみに写真は、3日目以降、おしべが落ちている状態のものです。
立地は良くても写真に撮りやすい場所に咲いてくれるかどうかはホオノキ次第。来年こそは、と毎年思います。
そして6月の蔦野鳥の森瓢箪沼といえば!蔦野鳥の森見所の一つ、木の上に卵を産むことで有名なモリアオガエルの産卵シーズンです。早い個体では7日に卵塊がありましたが、今がピーク!沼の脇の樹木には泡状の卵塊が鈴なり状態です。
21日の巡視で、なぜか瓢箪沼脇の地上に落ちていたモリアオガエルの卵塊の切れ端?を発見。上を見ても樹木はなく、なぜこんなことになっているのか?
卵をよぉく見ていたところ、何かうごめいている…。孵化している?!
小さな小さな、まだ黒い色にもなっていない、白色透明なオタマジャクシが何匹か孵化していました。黒い卵はそのまま黒いオタマジャクシになりますが、モリアオガエルの白い卵からは白色透明なオタマジャクシが生まれるのですね!
泡の中から黒いオタマジャクシが出てくるのを見たことがあったので、卵が白くてもオタマジャクシは黒いのだなと思った記憶がありましたが、なるほど。
きっと白いお腹にある栄養を使って泡の中で成長し、ある程度大きく黒くなったら、泡から出て水中生活を始めるということなのでしょうか。
大きくなると言っても、泡の中から出てきたオタマジャクシは指の爪に乗る程度でしたが…。
カエルになるって大変。思わずそんなことを思ってしまう出会いでした。
おまけ
同じ日の巡視で、奇妙なエゾハルゼミを発見。
…お腹がない? え?
死んでいるのかと思ったら動きました。しつこく撮影していたらゆっくりですがカメラから逃げるように枝の反対側に回ったり上ったり。あんまりその状態で追いかけ回すのも申し訳なかったので、名残おしくなりながら撤退。
事務所で調べてみると、蝉の雄の腹の中は、音を反響させるために空洞らしく、取れても動く…らしいですが、じゃぁこのエゾハルゼミに一体何があったのか…
不思議に出会える、雨の蔦野鳥の森…。
大きいためすぐに見つけられそうなものですが、高い位置にしかも上向きに咲くため、中々下から見上げるだけでは見つけにくく、花の匂いや上からの落とし物(花びら、おしべ)で咲いているんだなぁと気づくことが多いです。
ホオノキの花を見るには、木が高すぎなかったり、視界を遮るものが無かったり、あるいは木よりも高い位置から見下ろせる場所であったりと、様々な条件が必要です。
そんな条件を満たしつつ、かつ手軽に毎日見られる、そんなホオノキの花観察の最高の立地、それが十和田自然保護官事務所です。木を見下ろせることはないのですが、事務所の窓から双眼鏡でいつでもチェック可能です。
今年は開花が早く、4日から咲き始め、先週をピークにそろそろ終わりを迎えそうです。一番手近に咲いていたホオノキの花。ちょっと失礼して中を拝見。
大きな花びらの中に先が赤い、マッチ棒のようなものがたくさんこぼれていますが、これがホオノキのおしべです。真ん中にでんとあるのがめしべ。ホオノキは開花してから1日ごとに雌花→雄花→開花終了と雌雄が変わる樹木なのですが、開花初日のめしべが開いている状態は中々目にする機会がありません。
毎年ホオノキの開花には気をつけているのですが、いい場所に咲いているものでも、気付けば開花2日目のおしべが開いている状態になっているものばかり。ちなみに写真は、3日目以降、おしべが落ちている状態のものです。
立地は良くても写真に撮りやすい場所に咲いてくれるかどうかはホオノキ次第。来年こそは、と毎年思います。
そして6月の蔦野鳥の森瓢箪沼といえば!蔦野鳥の森見所の一つ、木の上に卵を産むことで有名なモリアオガエルの産卵シーズンです。早い個体では7日に卵塊がありましたが、今がピーク!沼の脇の樹木には泡状の卵塊が鈴なり状態です。
21日の巡視で、なぜか瓢箪沼脇の地上に落ちていたモリアオガエルの卵塊の切れ端?を発見。上を見ても樹木はなく、なぜこんなことになっているのか?
卵をよぉく見ていたところ、何かうごめいている…。孵化している?!
小さな小さな、まだ黒い色にもなっていない、白色透明なオタマジャクシが何匹か孵化していました。黒い卵はそのまま黒いオタマジャクシになりますが、モリアオガエルの白い卵からは白色透明なオタマジャクシが生まれるのですね!
泡の中から黒いオタマジャクシが出てくるのを見たことがあったので、卵が白くてもオタマジャクシは黒いのだなと思った記憶がありましたが、なるほど。
きっと白いお腹にある栄養を使って泡の中で成長し、ある程度大きく黒くなったら、泡から出て水中生活を始めるということなのでしょうか。
大きくなると言っても、泡の中から出てきたオタマジャクシは指の爪に乗る程度でしたが…。
カエルになるって大変。思わずそんなことを思ってしまう出会いでした。
おまけ
同じ日の巡視で、奇妙なエゾハルゼミを発見。
…お腹がない? え?
死んでいるのかと思ったら動きました。しつこく撮影していたらゆっくりですがカメラから逃げるように枝の反対側に回ったり上ったり。あんまりその状態で追いかけ回すのも申し訳なかったので、名残おしくなりながら撤退。
事務所で調べてみると、蝉の雄の腹の中は、音を反響させるために空洞らしく、取れても動く…らしいですが、じゃぁこのエゾハルゼミに一体何があったのか…
不思議に出会える、雨の蔦野鳥の森…。