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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

浄土ヶ浜に漂着したアカモク

2012年06月19日
宮古
「アカモク」ご存じですか?(秋田県では「ギバサ」と呼ばれているようです。)
 アカモク(正式名称:ホンダワラ科アカモク)とは、ワカメ、メカブ、コンブ、ヒジキの仲間で褐(かっ)藻類(そうるい)と呼ばれる海藻です。浮袋(気泡)を持っていて、水中でまっすぐ生育しています。1年草で、真冬に芽を出し、4月から6月に繁殖をし、それを終えると自ら根を放しその生涯を終えます。全国で見られる海藻で、水深3m~4mのところに生息します。

 今週、アカモクが宮古市浄土ヶ浜の浜辺に大量に打ち上がりました。海面もアカモクでいっぱいです。6月11日(月)から浄土ヶ浜では、浄土ヶ浜をきれいにする会、周辺施設のスタッフやボランティアの方々による除去作業が行われました。「毎年、この時期になるとアカモクが打ち上がるがこんなに大量なのは見たことがない!」といっていた方もいらっしゃいます。

海面に浮いたアカモクを船で回収し陸に揚げ、それをゴミ袋に入れるという作業です。海に浮いている部分はほんのわずかで、少し拾い上げると、そこから5~6メートル根まで続きます。長く伸びたアカモクはとても重たくて全身を使います。みんなが、声を掛け合って夕方5時過ぎまで作業を行いました。
マリンハウス前の浜が終わると、次の日は朝から奥浄土ヶ浜です。船やボートに乗って集める人や、男の人たちは、腰まで浸って海面のアカモクを陸まで引き寄せてくれました。それを陸まで上げる人、長いままのアカモクを袋に入れやすい様に切ってくれる方、袋に入れる人、袋に入れた物を運ぶ人、みんなが役割を持って効率良く作業のスピードも上がります。観光客からは「がんばって~!」という声援もありました。時間はあっという間に過ぎ、気づくともう夕方です。集積されたものを見ると、その量の多さに驚きます。

約4日間、みんなが一丸となって、浄土ヶ浜を綺麗にしました。約40トンもの回収量です。

 今回、何らかの影響で大量に漂着したアカモクは、水質浄化作用があると言われています。魚の産卵場所となり、小さな魚たちにとっては、外的から身を守ったりゆりかごの役目もしています。おとなりの山田町では、アカモクを有効活用した栄養たっぷりのラーメンや佃煮、そして以前はソフトクリームも開発、発売されていました。生きものを育てる大切な役割を持ち、食べてもおいしいアカモク。様々な研究がされているようです。

 これから夏がきます。7月には震災で休業中だったレストハウスもオープン予定ですし、海水浴場も開設予定です。海の恵み豊かな陸中海岸国立公園に是非おいでください。
 
 今回のように国立公園は地元住民やボランティアの方々の力によって美しく保たれています。多くの人に憩いの場として活用してもらいたいと思います。


大量に浮かぶアカモクです。

これは、ほんの一部。みんなでアカモクを袋詰めしています。

アカモク