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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北海岸トレイルモニターツアー 第2回 報告

2012年04月11日
宮古
みなさん、こんにちは。
いつもなら、今頃にはすでに満開になっている事務所前のウメの花。まだ蕾です。

さて、今回は東北海岸モニターツアー第2回目の実施状況を紹介します。
第2回は、以下の日程で19名のモニター、21名の関係者に参加していただきました。

3月19日・・・姉吉~魹ヶ埼灯台~姉吉  7.6㎞
    本州最東端の灯台で知られる魹ヶ埼灯台。本州4端制覇を目指す人や、元旦には初日の出を見ようという人が、全国から訪れる場所です。
     
3月20日・・・漉磯~ロラン局跡地   5.1㎞
    急勾配の少ない歩道で、秋には色とりどりの葉で自然歩道が照らされます。紅葉が終わり冬になると音だけでなく、その時期しか見られない風景が発見できます。野鳥も多く見られ、1年を通して楽しめる自然歩道です。
     
ガイドを務めてくださったのは、自然公園保護管理員の清水さんと武藤さんです。少しなまりの入った言葉もモニターの方々には新鮮に聞こえたようでした。お二人はこの自然歩道の維持管理を担当されており、誰にも負けないくらいご存じで、愛情と熱意を持って日々歩道のパトロールをされています。

季節柄、花を見ることはできませんでしたが、ちょうど落葉した木々の合間から海を見ながら歩くことができました。海と断崖絶壁を見ながらに歩けることが、この自然歩道の最大の魅力だという声も聞きました。

今回は、最近登山を始めた人、海外のいろんなトレイルを何度も歩いている人、滝巡りが好きな人、地元の宝物(伝統や風習)を探すのが好きな人・・・
本当にいろいろな人が参加してくださいました。だから、感じ方もそれぞれで、様々な視点で歩道を歩き、感想を持ったようです。

このモニターツアーで感じたことは、「地元らしさ」と「出会い」を楽しみに求めている人が多いということでした。
「地元らしさ」というのは、そのままの姿でそこに昔から伝わる食べ物、言葉、そして風景です。
「出会い」とは、そういった「地元らしさ」の発見、新しい経験をすることです。
トレイルづくりは自然だけではなく、それを利用した生活やそこに伝わる風習や伝統、文化にまで目を向けていくことが大切で、そこにはやはり地元に住む人々との交流が重要になってきます。何か取り組む際には地元の人たちの協力が必要不可欠であるということを改めて感じ、知りました。
陸中海岸の魅力や求められる課題など、普段は聞けない遠方からの生の声で聞くことができた貴重な経験でした。

また、モニターツアーに参加してくださった方々で、繋がりができて、集まったり、インターネットやそれぞれが出来るかたちで陸中海岸国立公園を応援してくださっているようです。この輪が広がり、より多くの人たちに関心を持っていただければ非常に嬉しいです。環境省をはじめとした行政機関、現地の人、遠方の人々、みんなで関わり東北海岸トレイルを作り上げていければいいと思います。

「東北の人たちの強い笑顔が印象的だった。大きな震災に負けずに、迎え入れてくれたその強い笑顔にこちらが元気をもらいました。また、その笑顔に会いに来たい」こうおっしゃってくださった方もいらっしゃいます。
皆さんと歩いた自然歩道には、そろそろ眠っていた植物たちが目を覚まし、自然歩道を飾ります。雰囲気の違った自然歩道でまたいつかお会できることを楽しみにしています。モニターの皆様、陸中に来てくださってありがとうございました。
また、おでんせ(来てくださいね)





本州最東端の魹ヶ埼灯台!!



写真上は震災前の様子です。