アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]
復興への取り組み 第1弾! ~東北海岸トレイル素材探し~
2012年03月13日
宮古
東日本大震災が発生してから1年が経ちました。
宮古では昨日から雪が降っています。震災当時も雪がちらつき、寒さに耐えていたことを思い出します。
1年経過した現在でも、海岸沿いの浜辺や流失した施設など、かつての姿を思い出すのが難しい場所もあります。しかし少しずつではありますが、再び立ち上がろうと地域の方々が一生懸命に前に進んでいます。ここでがんばる姿、東北の立ち上がる姿を是非、見に来てほしいです。みなさんが来てくださることにより、それが東北沿岸に住む人たちのパワーとなります。
東日本大震災で発生した津波はまさに陸中海岸国立公園を襲いました。浜辺を飾った海浜植物、海辺にあったキャンプ場などはその多くが姿を変えてしまいました。環境省では、地域とともに立ち上がろうと、現在、「三陸復興国立公園(仮称)」の構想を検討しています。そのひとつが、「東北海岸トレイル」です。青森県蕪島から、福島県松川浦までの間に、地域の自然や暮らし、震災の痕跡、利用者と地域の人々など様々なものを「結ぶ道」と設定し、新しい利用形態を構築するとともに、災害時には避難路に利用する事などを目的とした長距離歩道です。
陸中海岸国立公園にはたくさんの魅力があります。しかし、浄土ヶ浜や北山崎などの景勝地への観光客は多くても、自然歩道の利用者が少ないのが現状でした。
そこで、「東北海岸トレイル」のアピールポイントや課題点等を確認して、今後の検討に役立てようということで、3月17日(土)~3月20日(日)の4日間にわたり、「東北海岸トレイルモニターツアー」が開催され、首都圏からの参加者が国立公園の自然歩道を歩くことになりました。(募集終了)
当日ガイドをしてくださる方と、所要時間やトイレの有無などを確認しながら、3月17日と18日に歩くルートの下見をしてきました。岩手県宮古市の大沢海岸~休暇村陸中宮古までと、同市 田老漁港~真崎海岸までの区間です。歩道には、雪が残っていたり、落ち葉が詰まっている沢がありましたが、出来る範囲で措置してきました。
この自然歩道は、津波によって一部流失した箇所も通ります。地元ではない人が歩くと、どのように感じるのだろう・・・。とても気になります。国立公園が沢山の人に利用されるための大切な資料として多くの人の意見を聞きたいと思います。
雪道の自然歩道。ここからは、浄土ヶ浜の裏側を見ることができます。
沢にたまっていた落ち葉を取り除き、水の流れを正常にもどしました。
道路まで、飲み込んだ津波の跡です。ここも当日のルートになっています。