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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

氷瀑!自然のおりなす絶景。-乳穂ヶ滝-

2012年02月17日
白神山地
今年の東北地方は、雪に悩まされることが多い冬です。
ですが、そんな中「4年ぶり」という絶景も見ることが出来ます。


昼の乳穂ヶ滝 photo 2012.1.28

この滝は白神山地のお膝元、西目屋村名坪平(なつぼたい)地区にある乳穂ヶ滝といい、高さ33mの白絹のような大きな滝です。秋の収穫後の稲束を田んぼや家の前に高く紡錘形に積み上げた乳穂のように冬に氷結することからこの名があります。
またこの滝には、「世の中滝」という別名もあります。「世の中滝」の由縁は、藩政時代に津軽藩の使者が太さ、形状等氷結の具合を見聞し、その年の津軽の作物の豊凶を占っていたとされています。現在でも滝の裏の洞窟には不動尊が祭られており、2月第3日曜日には積み上げた杉葉をいぶした煙や稲束の燃え具合を見ての豊凶占うなどの護摩祈祷、火渡荒行が行われています。

この乳穂ヶ滝は、江戸時代の紀行家である菅江真澄や平尾魯仙の文献の中にも登場する有名な滝です。人は時代経て変わっていきますが、自然の織りなす景色が人の心に訴えかける迫力や魅力、自然への畏敬の念は時代を超えて変わらないものなんですね。私も時が止まったような乳穂ヶ滝の氷瀑から、津軽の寒さはもとより、滝の水さえ止めてしまう自然の力を感じます。だからこそ、この氷瀑がその年の豊凶を占う神事ととして大切にされるのだなと感じます。
雪が降りしきる今日この頃ですが、厳しい冬だからこそ見ることができる自然の織りなす絶景です。乳穂ヶ滝の氷瀑、ご覧になってはいかがでしょうか?
※平成24年の乳穂ヶ滝氷祭は2月19日に行われます。


夜の乳穂ヶ滝 photo 2012.2.16