ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2011年12月

22件の記事があります。

2011年12月15日一見、コハクチョウの成鳥ですが・・

秋田 足利 直哉

 今年は秋田県内各地から『カメムシ大発生』の知らせがありました。森吉山野生鳥獣センターでもそれはもう凄い数のカメムシが発生していました。『カメムシが大発生した年は大雪になる』という言い伝え(?)がありますが、これまでのところ雪が少ない状態が続いています。カメムシと積雪の関係性はどうか分かりませんが、雪の量はどうなるか?気になる今日この頃です。




 大潟村やその周辺を調査や巡視で回っていると各所でガンの群れやハクチョウの群れを見かけます。中でもハクチョウ達は色彩の乏しい風景の中にあって白い羽が鮮やかで、体も大きいので遠くからでも目を引きます。

 保護区内にも塒があるため、たくさんのハクチョウ達を見る機会があるのですが、一見・・真っ白いハクチョウ成鳥と灰色のハクチョウ幼鳥が一緒に過ごしている様に見えますが、近くでまじまじと観察すると白いハクチョウ成鳥の中には『真っ白』では無い個体も見えますし、灰色のハクチョウ幼鳥も全身が一様に灰色では無い個体が多いようです。白か灰色かでは単純に割り切れない個体が思ったよりも多いようです。

 今日の日記は【コハクチョウ】の群れの中に見つけた『一見、【コハクチョウ】の成鳥』に見えるけれど灰色の羽が混じっている個体が主役です。


 左手前の個体はほぼ真っ白の【コハクチョウ】成鳥。その向こうが今日の主役である成鳥のようですが一部灰色の羽が残っている【コハクチョウ】。更に向こうに【コハクチョウ】の幼鳥がいます。
 手前の成鳥と今日の主役を見比べてみてください。パッと見はどちらも成鳥ですよね。でも主役の頭部や頸部には斑に灰色(←黒っぽく見えますが・・)の羽がびっしりと混じっているのが分かります。


 この写真は向かって右側が主役で左側に幼鳥がいます。こうしてみると幼鳥も一様に灰色の羽をしている訳ではないようですね?背中(実際には背中が見えているのではありませんが・・・)側の羽が所々白い羽に換わっているのが分かりますよね。
 今度は幼鳥の頭部から頸部にかけて注目して見てください。他の部分に比べて一段と灰色の色合いが濃くなっているように見えます。このあたりにはコインサイズの羽がびっしりと付いているはずですがその色合いや密度が濃いためこうした見え方をしているのかな?と仮定して、その意識のまま主役に目を移すと、主役の「灰色の羽見られる部位」と幼鳥の「灰色が濃い部分」とが重なるように感じませんか?


 この写真はたまたま羽を広げた後(羽を広げた時の写真は失敗してました)に撮影したものですが、翼角部分にも灰色の羽が残っている事が確認できました。普段、羽をたたんでいるときには気がつかなかったことでした。
 この部分も小さな羽がびっしりと付いているはずです。どうやら・・・サイズの小さな羽に灰色の羽が残る傾向があるようです。


 野鳥の全身の羽を調べてみると翼では(概ね・・)一番下に付いている風切が最も大きくその上に大雨覆、中雨覆と上になるにしたがって羽のサイズが小さくなり一番上にある羽が最も小さくなります。体羽では(概ね・・)胴体部分の羽は大きくそこから頭部へかけて徐々にサイズが小さくなっていきます。今日の日記の主役に灰色の羽が認められるのは、そうした羽そのものが小さな部分に集中しているようです。


 今日の主役を通してこのような事が見えてきましたが・・・私にはこの先のことを語る事が出来ません。灰色の羽がなぜこうした部位に見られるのか?【コハクチョウ】の換羽の順番は?今日の主役は何齢なのか?分からないことだらけです。しかし今日の主役のような個体は決して珍しい事例というわけではありません。この日記では昨年もこのような記事を書いていました。
 もう少しこうした観察機会を持つことが出来れば何かヒントが見えてくるかも知れませんので・・・明日も【コハクチョウ】の羽の話をしようと思います。今日のところはこの辺で。




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2011年12月14日思いもよらぬ

秋田 足利 直哉

 今日は青空も見えた秋田市内ですが、外の風は冷たく、かつ乾燥していて肌がカサカサ・・・。外で活動するのが厳しい季節となってきました。



 今日はこの時期、人気を集める【ハイイロチュウヒ】を取り上げました。大潟村には『ここに行けば大抵(ハイイロチュウヒを)見ることが出来る。もし居なくても何かしら猛禽類の姿がある』というエリアがあるので、この時期は多くの方々が訪れます。しかし!!!そこには作業されている方もいらっしゃいますので、邪魔にならないように十分な配慮が必要です。

 さて、この場所での【ハイイロチュウヒ】ですが・・普段は地面に降りている事が多いようです。草地や畑やヨシ原など様々ですがそこから【ハイイロチュウヒ】(←この種だけに限ったことではありませんが・・)を見つけるのはなかなか難しい。。
 

 草地にいて頭を上げている【ハイイロチュウヒ】♀です。見つけられましたか?頭を上げていてこの状態ですから、そうで無い時にはいかに見つけにくいか想像していただけると思います。


 かと思えば・・・どこからともなく飛んできます。このエリアにいるのは1個体だけとは限りませんので方々に注意を払っていなければ見つけられない!なんてことも・・・。この時私も地面にばかり気をとられて自分の近くに飛んできている【ハイイロチュウヒ】に気づくのが遅れました。なのでフレームに収まっていない・・・(涙)

 
 地面にいるとほとんど見えなくなるし、ヨシ原では完全に見えなくなりますし、何処からやってくるか予想するのも大変な【ハイイロチュウヒ】。観察したい方はいつもより高くアンテナを挙げて臨まれた方がよろしいかと思います。


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2011年12月13日冬のスズメ

秋田 足利 直哉

 12月は「地球温暖化防止月間」です。今年の夏は『節電の夏』となり全国各地で様々な取り組みが行われ。皆さんも様々な工夫で暑い夏を乗り切った事と思います。当事務所でも私自身も様々な工夫をしてきたところですが、冬になってちょっとその意識も薄れてきてはいませんか?うちの事務所でもまだまだ工夫できそうなんですけどね・・・・・。もっと改善出来ることが無いか?見直していかないと!!




 唐突ではありますが・・・小鳥の頭部を線画したものを差し出されて『スズメの模様を書き入れてください』と言われたらあなたは迷わずに描くことが出来ますか?
 私も試しにやってみましたが・・・・頭の茶色を描いて耳羽あたりの黒い斑点を描いて・・・あれ?なんか黒いところが足りないような・・・う~~ん・・とお粗末な結果に。。


 またまた唐突な話の展開ではありますが・・・野鳥に関する見識が少ないことを表現する際に『スズメとカラスくらいしか知らない・・』なんてフレーズを聴いたことはあるでしょうか?私はこれまで何度も耳にした記憶がありますし、以前は私自身も使っていた気がします。
 しかし!!!野鳥に興味を持って色々と知れば知るほど、実は身近な野鳥のこともよく知らないことが多い事に気がつきます。謙遜して先ほどのフレーズをお使いになる方もいらっしゃるので一概には言えませんが『スズメとカラスくらい・・』なんて口にする事に抵抗を感じる今日この頃です。


 今日の日記はそんな事を思うようになったきっかけの観察からお伝えします。

 冬になると【スズメ】達は群れを作って行動しています。あまりの素早さになかなかカウントまでは及びませんが、群れだって飛ぶ姿に昔読んだとある絵本を思い出します(この絵本の主人公は魚です。ピンときた方もいらっしゃいますかね^^)。。たくさんの【スズメ】が密集して一つの大きな生き物のようにして飛ぶ姿に彼らなりの戦略を見る思いがしますが、【スズメ】の群れは巡視中の車の近くに止まってその愛くるしい姿を見せてくれるときがあります。こうした機会に双眼鏡で【スズメ】を観察した時、ふと気がついたことがあります。


 群れになって行動している【スズメ】です。田んぼで餌を採り、猛禽姿を見つけるとヨシ原に逃げ込み身を隠します。時には私の存在「盾」として利用し猛禽から逃れているような気がします。


 そんな時、普段は忙しく動き回る【スズメ】達も動きを止めてじっくりと観察に付き合ってくれます。そこで・・・『あれ?【スズメ】達、嘴の根元が黄色っぽい・・・』ということに気がつきました。
 普段の調査時も【スズメ】は群れで行動しているから目立ちますし、姿を確認するのも容易ですし、鳴き声でも判断可能ですからわざわざ双眼鏡を使わなくても『あっ【スズメ】がいた!』とフィールドノートに書き込むのが常になっていたので細かな点の観察を怠っていました。


 図鑑で改めて調べてみるとちゃんとこのことが記載されています。冬になると嘴の根元部分が黄色っぽくなると言うのは広く知られている事実でした。念のため自分で撮影した真夏の【スズメ】の写真も見てみると嘴は根元まで真っ黒でした。繁殖期の【スズメ】の嘴には若干黄色い部分が見える個体も居ました。
 私たち最も身近な野鳥で、大潟草原鳥獣保護区での観察機会も年間を通じて(多分)100%で、いつも見ている【スズメ】の事を知った気になっていましたが実はこんな変化に気がついていなかったという事実。。

 『スズメとカラスくらい・・』どころか『スズメのこともよく分かっていない』事を思い知ったこの時の観察。季節によって行動にも変化が現れ、外見にも変化が現れている【スズメ】達。もっともっとよく見るといろいろな発見があるかも知れません。「知ったつもり」「知ってるつもり」って怖いですね・・・。
 

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2011年12月12日大潟村のほ乳類

秋田 足利 直哉

 ここ数日の積雪ですっかり雪景色の秋田市内でしたが今は溶けた雪が道路に水たまりを作っています。車はバシャバシャと大きな音を立てて水しぶきを上げて走っています・・・



 今日は大潟草原鳥獣保護区内で見かけた【タヌキ】の話から。

 大潟村の動物相の特色に「大型ほ乳類が生息していない」と言うことが挙げられると思います。記録としてはツキノワグマが確認されたり、ニホンカモシカなどが目撃された事もあるそうですが、それらはまさに珍客として記録されたもので村内に定着し、そこに生息しているものではありません。
 そうした中、最も観察機会が多いほ乳類と言えば・・・【タヌキ】がダントツでしょうか?(タカ類に捕食されたネズミ類を除く)でもなかなか写真撮影の機会が無く、この度大潟村の【タヌキ】はAR日記に初登場です。




 この【タヌキ】がいるのは水路の中。大潟村の農業用水路は規模も大きく、幅も高さも段違いです。そこになぜ【タヌキ】が?と思ったのですが、当のタヌキはこの水路の中で獲物を探しているようです。水路の上から見ていて獲物がたくさんあったので中に入ってきたのでしょうか?この後このタヌキは無事に水路から脱出できたのでしょうか?


 大潟村は『野鳥の宝庫』『野鳥の楽園』と言われるほど多くの野鳥たちが生息しており、その分生息鳥類に関するデータも豊富ですが、ほ乳類の情報は意外に少ないようです。ネズミ類やモグラ類はもちろん、コオモリ類に関する記録も決して多くはないようです。しかしながら・・・大潟村で自然環境保護活動や自然環境調査活動を行う会の方々とお話しすると近い将来こうしたデータもしっかり収集されていくだろうと思えてきます。こうしたデータの集積にかんして当事務所も微力なお手伝いが出来ればと思っております。

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2011年12月12日朝日連峰保全協議会 幹事会

磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹

 12月10日(土)に、朝日連峰保全協議会の幹事会が開催されました。

 協議会の幹事の皆様他、関係者11名が集まり、平成23年度の活動報告や平成24年度の活動等について、話し合いがなされました。
 今年の合同保全作業では、協議会設立以来最大の参加者数となり、とても充実した一年間だったと思います。


 幹事会の様子。

 来年度の合同保全作業については、平成24年9月29日(土)~30日(日)に行うことで、合意されました。
場所については、風衝地での作業が候補地に上がりましたが、事前調査を7月に実施して、その上で決定することとなりました。
正式には第4回会合で決定されます。

 来年度の活動についても、今からとても楽しみです。
皆さま、今後ともよろしくお願い致します。

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2011年12月09日ノスリの止まり木

秋田 足利 直哉

 辺りが暗くなり始めると・・「ふたご座流星群」の流れ星が見られないか?と期待しながら見上げるのですがこれまでは厚い雲に覆われて星は全く見えず・・・でも今日は晴れ間ものぞいていましたのでもしかして!!なんて期待しています。お願いしたい事がイッパイあるんでね^^。明日の皆既月食はどうだろう?見られるでしょうか?


 
 冬になると大潟村には【ノスリ】が増えることは各団体の探鳥会や野鳥観察会でも語られている事ですし、この日記でも何度もお伝えしていることですので、そろそろ頭の片隅の一角を占めている情報になってる事だと思います。
 そこで今日の日記は、あっちこっちで見られる【ノスリ】のお気に入りの止まり木について書こうと思います。


 『止まり木』と言えば・・・大潟では防風林とか街路樹とか公園の植栽木なんかを思い浮かべますよね?『止まり木』って言うくらいですから当然ですよね。
 でも大潟で見られるノスリはそうした自然物(※植栽した木を自然物と言うのか?とも思いますが・・・)では無く人工物をよく利用します。例えば電柱のてっぺんや電線などは定番ですし、道路標識や看板などもよく使います。でも【ノスリ】が一番気に入っているんじゃないか?もしくは【ノスリ】の世界で流行っているんじゃないか?と思われるポイントがあります!!






 それがここ!!電柱の横から飛び出ているでっぱり(←なんていう名前なんでしょうか?)。電気工事などの際に作業する方が電柱に上るときに使用するここです!!電柱の下が草むらであったり田んぼの畦であったりと地面が確認できる場所であればかなりの頻度で【ノスリ】の姿が見られます。

 ここがお気に入りの理由は想像するしかありませんが・・・足場は安定しているだろうし、電柱が風や陽の光を遮るかも知れないし、狙った獲物から自分の姿を隠す効果もあるかも知れません。果たして真相は・・・


 皆さんも大潟村にお越しの際には電柱のこの部分に止まっている【ノスリ】に注目して見てください。でもくれぐれも安全第一で!!通行の妨げにになったり他の運転手の視界を遮るような事は絶対にしないでください。
 電柱のこの場所に止まっている【ノスリ】は至る所で観察できますので安全な場所で観察してみてください。では良い週末を!!

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2011年12月08日食事作法も違う?

秋田 足利 直哉

 天気予報に雪マークが並び、二十四節気の「大雪」を過ぎました。この時期らしく寒さは身にしみるものの、窓の外に見える景色は雪がなく「冬枯れ」の秋田市内です。


 今日の日記は長くなります。内容もちょっと背伸びしているところもあります。その点を踏まえて・・・よろしかったらお読みください。


 西部承水路の中でもサギたちに人気の魚採りスポットでいつも見ているダイサギよりも明らかに大きな【ダイサギ】を見つけました。

 写真で見るとその大きさの違いは分からなくなってしまいますが現地で間近で観察すると『この【ダイサギ】でかいな~』と”一回り”では済まない違いに気づきます。

 複数の図鑑で【ダイサギ】の項を見比べてみてください。注目していただきたいのは『亜種』に関する記述です(図鑑によっては『亜種』に触れていないものもあるかもしれませんが・・・)。ダイサギという種名表記の他にチュウダイサギとかオオダイサギという記述が見られるかと思います。私たちにお馴染みの野鳥である【ダイサギ】にはいくつかの亜種が確認されているそうですがそのうち、日本で見られるのが亜種チュウダイサギと亜種ダイサギなのだそうです。図鑑によっては亜種チュウダイサギと亜種オオダイサギだとしているものもあるようです。

 話がややこしくなってきました(笑) 「大」だとか「中」だとか・・・「大大」?だとか・・・。『種』の名前が【ダイサギ】で漢字では『大鷺』と書きます。種を更に細かく『亜種』まで分類するとチュウダイサギとダイサギの2つがいますが・・漢字で書くのは止めときましょう!!また亜種を「2種類」と書くのも混同しそうなので止めときましょう^^!!

 日本鳥学会の『日本産鳥類目録改訂第6版』の【ダイサギ】の項を見ると亜種ダイサギと亜種チュウダイサギの2亜種が記載されていて、秋田を含む本州では亜種ダイサギは(IV=irregular visitor)となっていて「少数飛来する」と書かれており、亜種チュウダイサギは(RB=resident breeder)となていて「サギ類のコロニーで繁殖し」と書かれています。ここではこの『日本産鳥類目録改訂第6版』にそって話を進めていきましょう。


 私が冒頭で書いた『普段見ているダイサギ』というのは亜種チュウダイサギの事で、大潟村でも繁殖しているのでお馴染みの野鳥です。そして今回取り上げた『明らかに大きなダイサギ』が亜種ダイサギであろうと思います(言い切らない歯切れの悪さはご容赦ください。)。

 さて、この2亜種の外見上の違いですが大きさの他に冬羽の時の足の色の違いというのがあるそうです。私も体の大きな【ダイサギ】を見つけると足の色を確認します。【ダイサギ】の長い足の中央部に見られる関節を「跗蹠(ふしょ)」といい、人間でいうところの踵(かかと)に当たるのですが、白い羽で覆われた体から跗蹠にかけてのいろがどうなっているか確認したいところです。
 『肉色』と表現されるピンクとも橙とも言えそうな色の部分が跗蹠を超えて広がっているようだったら亜種ダイサギ、全体が真っ黒か、もしくは肉色があっても跗蹠まで達していないようだったら亜種チュウダイサギの可能性が高いと言うことのようです。


 『明らかに大きなダイサギ』の足は跗蹠を超えて肉色が確認できました。どうやら亜種ダイサギと見て良さそうです。
 とはいえ、普段からダイサギを見かけるこの場所で採餌しているところを見て『餌を採る場所は同じところを選ぶんだな~。』なんて思っていたのですが・・・餌を採る時のスタイルというか体の使い方が違っていました。参考までに過去に同じ場所でチュウダイサギが採餌する場面をお伝えした記事がこちらです。この時は低い体勢から首から先だけを素早く動かして次々と魚を捕らえていたことをお伝えしました。ではこの『明らかに大きなダイサギ』はというと・・・


 4枚の写真を合わせてみました。上から・・ 
 ①歩きながら獲物を見つけたようです。②首を伸ばしてしっかりと確認しています。いくら首が長いからってそのままじゃ転ぶんじゃない?と思っていたら・・・③そのまま体を前方へ投げ出すように・・・④体ごと水中へジャボ~~ン!!
 なんとも激しい獲物の捕まえ方ですが・・ちなみにこの時は失敗でした。なのでこれはたまたまこうしただけで本当は違うやり方なんじゃないか?と思ってしばらく観察していたところ5回このようなやり方を披露してくれて、うち3回は見事に魚を捕まえて即座に飲み込んでいました。少なくともこの場所でこの個体はこのやり方で通していました。

 もしかして亜種チュウダイサギと亜種ダイサギは水中の魚を捕まえるスタイルも違うのかな?なんて思ったのですが・・・どうなんでしょうか?もっと観察を積み重ねたら何か分かるかも知れませんね。でも少数が飛来するとされる亜種ダイサギが採餌するシーンに巡り会う確率を考えたら気が遠くなってきますが・・・
 

 体にたくさん水がつくようで・・・こうして体を震わせる動作を頻繁にしていました。運動的にもかなり体力を消耗しそうです。と言うことは・・・捕まえた魚はよりおいしく感じられるのかな?


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2011年12月06日秋田大学にてアクティブレンジャー写真展開催中

秋田 足利 直哉

 この先の天気予報はずらっと雪だるま。今日もこの時期らしい寒さとなって、遅れていた冬将軍がいよいよやってきそうな気配です。そんな時は室内でゆっくり写真展でもご覧になってはいかがでしょうか?
 ということで、現在秋田大学手形キャンパス内インフォメーションセンターにおいて開催中の東北アクティブレンジャー写真展『心に残る風景』の様子をお伝えします。


 秋田では『秋大(しゅうだい)』と親しみを込めて呼ばれている秋田大学の手形キャンパス正門を正面に見て右側に守衛さんがいる建物があるのですが、インフォメーションセンターはそこにあります。私の記憶とは随分と違うキレイなキャンパスに生まれ変わった秋田大学の『顔』とも言える建物でアクティブレンジャー写真展が開催されています。

 誰でも自由に入館できる建物に入ると左手には職員の方がいるカンターとその奥に秋田大学出身の方々に関する常設展を行っているスペースがありますが、写真展はその反対側で実施中です。





 入り口を入ると直ぐに大きなクリスマスツリーが目に入ってきます。その奥にはグランドピアノ!!とっても落ち着いた雰囲気の施設です。この施設では月イチペースでミニコンサートも開催されるそうです。その際にも邪魔にならないよう(?)に写真は全て壁際に展示してあります。

 歩きながら写真をじっくりご覧いただくのも嬉しいですが、私的には温かい飲み物でも飲みながらソファーに座ってその空間と一緒に写真を楽しむのがオススメです!!これまでのアクティブレンジャー写真展とはひと味違った雰囲気になってます。是非ともご覧ください!!

 
 

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2011年12月06日月山ビジターセンター 冬支度

磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹

 12月になりました。今年も残すところ一ヶ月を切りました。
4月から開館していた月山ビジターセンターは、11月で冬期間閉館します。

 
前回の日記
で雪囲いを途中まで行った報告を行いましたが、まだ残っている作業があるので、12月3日(土)に羽黒庁舎の加藤さん、パークボランティアと一緒の残りの作業を行いました。


 まずは、前回続きだった雪囲い作業です。
今回は人数がいるので、作業が早いです。やはりこういった作業は人海戦術ですね。


 続いて、遊歩道の作業です。歩道脇のロープと支柱を撤去します。
このようなものも雪が降る前に撤去しておかないと、雪によって壊れてしまいます。


 遊歩道の作業が終わったら、月山登山情報板に雪囲いをします。
 ステンレス製の囲いを設置しますが、これが重くて大人の男4人かがりでもやっとの作業です。

 以上で冬支度の作業が終了です。
冬期閉鎖になりますが、また2月以降にスノーシュートレッキングなどのイベントがあります。また遊びにいらしてください。

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2011年12月05日田んぼのタゲリ

秋田 足利 直哉

 本日より秋田大学インフォメーションセンターにおいて東北アクティブレンジャー写真展『心に残る風景』を開催しています。会場には大きなクリスマスツリーがあり、グランドピアノがあり、ゆったりできるソファーありでとっても居心地の良い空間です!!是非お越しください。


 写真展の様子は明日にもお伝えするとしまして・・・


 このところ大潟には多くの渡り鳥たちが飛来してきていますが、その野鳥たちを観察するために多くの方々が訪れています。皆さんそれぞれに目的というかお目当ての野鳥がいるようで、田んぼにも牧草地にも水路にも多くのバードウォッチャーの姿が見られます。
 
 大潟村内の田んぼには多くのガン達が採餌していますが、その近くには多くのバードウォッチャーの姿があります。たいていの方はマナー良く観察したり撮影したりしているのですが中には残念な方もいるのが実情ですし、少数ではありますが『これは酷い!』と思うような方もいらっしゃるようです。。
 最近はバードウォッチャーの数も増えてきました。皆さん野鳥の観察を楽しみにして来られているはずですので、野鳥はもちろんのこと、バードウォッチャー同士お互いに思いやりを持って観察したいですね。



 さて・・今日はそんな多くのガンが集まり、多くの方が集まる田んぼに群れているのにあまり注目されていない【タゲリ】を取り上げました。

 歩きながらのルートセンサス調査を終えて道路に出るポイントで必ず田んぼの方向をチェックします。その季節によって様々な野鳥たちの姿があるので毎回楽しみにしているのですがこの時期は『【タゲリ】いるかな?』と思いながら目をやります。保護区に隣接する田んぼは【タゲリ】の群れが毎年決まって立ち寄るポイントになっているのです。


 このところ30羽ほどの群れが立て続けに確認できていますが、この日も27羽の【タゲリ】が田んぼで羽を休めたり、採餌する様子が観察できました。

 観察中、『何を見ているんですか?』と県内ナンバーのバードウォッチャーが声をかけてきました。私は『あそこにいる【タゲリ】の群れですよ』と答えたのですがその方々は『あっそう?【タゲリ】か・・・』と言って双眼鏡も使わずに直ぐに移動していきいました。他にお目当ての野鳥がいるようで【タゲリ】には関心が向かなかったようです。

 しばらくすると・・・今度はその田んぼにガンの群れを撮影するために1台の車がやってきました。位置関係は一番南側に私、その北側の田んぼに【タゲリ】の群れ、その北側にある農道をその車が進んできていて、更に北側にガンの群れという状態。車の進入に警戒した【タゲリ】はそろそろと歩いて移動しますが、その方は気がついていない様子。もちろん私にも気づいてはいないようでした。
  

 結果:【タゲリ】は私の直ぐ側までやってきました^^ 観察し放題の撮影し放題。でもなんだか【タゲリ】が居心地悪そうだったので早々に立ち去りました。
 ガンの群れに意識を集中するあまり、その反対側にいる【タゲリ】には全く気がつかなかったという事例。【タゲリ】の美しさに魅せられている方も多くいるなかでこうした事も・・・



 野鳥にも「人気ランキング」というのがあるようなので人気の高い野鳥とそうではない野鳥がいるのはしかたのない事でしょうし、希少な野鳥により関心が向くのもこれまた自然な事かと思いますし、人それぞれ興味や関心の対象が違うのは当たり前ですので『もっと【タゲリ】に注目して!!』なんて言うつもりはありませんし、今回の私の体験もどうだって良いことかも知れません。


 でもこれまでいろいろな事例を見たり聞いたりしてきた事から思うのですが・・・観察や撮影に優先順位をつけてその順位が高い野鳥には注意を払うけど、そうでは無い野鳥は扱いが大きく変わる事に違和感を感じます。更にはその順位が低い野鳥を観察しいる人までもが一緒になって軽視されるのはどうなんでしょうか?


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