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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

幼羽まじりのコハクチョウ達

2010年12月21日
秋田
 今朝の通勤電車では何時にも増して高校生達がテンション高くしていた会話していました。聞く気もなく耳に入った会話に寄れば今日が終業式のようで明日から冬休みなのだとか・・そりゃテンションも上がるかと思いながらの通勤でした。


 最近、お会いする方々に『鳥インフルエンザで大変でしょ?』と声をかけていただきます。その場で短い会話をするのですが中にはちょっと誤解をされているかな?と思われる方もいらっしゃいます。私たちは巡視や調査で日頃から野鳥観察を行っていますが、通常の野鳥観察で人間に感染する事は無いとされています。こちらに参考となるサイトを貼り付けましたのでご覧下さい。
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/bird_flu/


 と言うことで・・通常業務の範囲ではハクチョウの観察も行っています。今日はその中から【コハクチョウ】達の群れの中で見た、完全な成鳥でもなく、かといって幼鳥でもない個体を取り上げてみました。 

 ハクチョウを観察する際、オオハクチョウであれ【コハクチョウ】であれ身体全体が白くて嘴が黒と黄色の個体は成鳥。身体全体が灰色で嘴が黒とピンクあるいは灰色の個体は幼鳥。という識別はかなり知られているところですが、実際にハクチョウの群れを観察していると、全体的には成鳥の特長を備えているけどよく見ると幼鳥のような羽が混じっている個体。というのが存在します。
 そのような個体を亜成鳥と呼んでいるようですが、その群れによっては随分とその数が多いことがあります。先日観察していたハクチョウの群れの内の【コハクチョウ】達にはたくさんの亜成鳥を見ることが出来ました。


 一見すると【コハクチョウ】の成鳥に見えますが首の後ろ側や顔の横に灰色の幼羽が疎らに残っているのが解ります。


 写真左の個体がそれにあたります。こちらはごく僅かですが首の後ろ側に灰色の幼羽が残っています。
 ところでこの【コハクチョウ】は嘴の黄色い部分がやや少なめですね?体格的には他の【コハクチョウ】と大差はないようです。


 こちらは紹介した3羽の中で最も幼羽が多く混じっている個体です。顔を見た途端に幼羽が目に入りますよね?
 こちらは【アメリカコハクチョウ】でしょうか?体格は他の【コハクチョウ】と比べても大差は見られませんでしたが嘴の黄色い部分は明らかに少ないですね。


 断定する事は出来ませんが、今日紹介した【コハクチョウ】達は今期、身体全体が灰色で嘴が黒とピンクあるいは灰色という特長を有して飛来している幼鳥の”1コ上”の【コハクチョウ】でしょうか。あるいは”2コ上”もいるのでしょうか?

 考えてみれば・・・群れの中には様々な年代のハクチョウがいて当たり前です。当然、成鳥か幼鳥かだけではないはずです。そういった視点でハクチョウの群れを見るともしかしたらハクチョウ同士の人間(白鳥)模様のようなモノが見えてくるかも知れません。今度数羽の家族単位で過ごすハクチョウを見かけたら注意して観察してみようと思っています。