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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

チュウダイサギの漁労

2010年04月15日
秋田
 今は秋田市内も風もなく穏やかな日差しが注がれていますが、昨日の風は酷かったですね~。




 冬の間、観察できていたダイサギは既に移動してしまったようで・・・今、観察できるのはそれよりも随分と小柄な【チュウダイサギ】です。
 本来であれば【ダイサギ】として分けなくてもよいのかとも思いますが、ずっとひとつの場所で観察しているとその大きさの違いもハッキリと感じられるので敢えて!【チュウダイサギ】としてみました。

 【チュウダイサギ】は日本で繁殖するダイサギですから最もお馴染みのダイサギと言っても良いかもしれません。鳥たちの繁殖シーズンを迎えている現在は大潟ではたくさんの【チュウダイサギ】を見ることが出来ます。


 よく見かけるのはこういった姿勢。水辺でジッとしているのを見たことがあると言う方も多いと思います。
 しかし、彼らは警戒心が強く意外にも普段の行動を観察する機会が少ないのです・・・。しかし先日、西部承水路で次々と魚を捕らえて食べている【チュウダイサギ】を観察しました。


 丁度、【チュウダイサギ】の居る場所を小魚たちが回遊していたのでしょうか?私の存在に気がつきながらも漁労を止めようとはしません。次々と嘴を水中に差し込んでは魚を捕らえていました。
 その度にやや細長くて、透明感のある魚体が【チュウダイサギ】の嘴に挟まれて踊ります。それを次々と飲み込んでいく様子は見ていて楽しくなるほどでした。


 この【チュウダイサギ】は魚を捕らえるのが上手なのか?それとも誰がいても入れ食い状態だったのか知るよしもありませんが・・・
 その内の1回!!それがこの写真ですが・・・よく見ると魚を2匹一度に捕らえています。これは名人芸??それともマグレ??





<追記>
 日本鳥類目録 改訂第6版のダイサギの項には亜種として「ダイサギ」と「チュウダイサギ」が記載されています。
 山渓ハンディ図鑑7 日本の野鳥のダイサギの項には「ダイサギ4亜種ある。」と記載されています。

 今回の【チュウダイサギ】については、中でも小柄な部類に入る事などから【チュウダイサギ】であると思えたのでそうしましたが、その他の個体では大きさやその他の特長にも亜種間でオーバーラップする部分があるかも知れません。